肝 (きも) を押さえて健康を

東洋医学の勉強会のグループを主催していますが、以下のご質問をいただきました。

おはようございます。いつもお世話になっております。お聞きしたいです。もう何ヵ月もなりますが最初は喉の痛みと頭痛と胃がムカムカと下痢でした。なので病院からの胃薬を飲んで葛根湯を飲んでました。葛根湯は辛い時のみですが何ヵ月もの間に葛根湯を何箱も飲んでます。コロナが怖い為に病院に行きたく無いし病院に行くのにもワクチンを打って無いと嫌な顔されます。段々日がたつにつれて肩が凝り喉に痰まではなりませんが粘りの有る透明な液が出ます鼻の通りがいつもより悪いです。。背中と腰が交互に痛くなります。軽い目眩が時々有り疲れやすく病院にも行けなく不安になってます。

🍀今辛い事🍀

肩が痛い、背中が痛い、胃の調子悪い、頭痛、下痢。

☘️持病→パニック障害、悪さする胆石有ります。

🦠シェイデングも心配です。ワクチンを打って無い為にです。

宜しくお願い致します。m(._.)m

東洋医学をいっしょに勉強しよう! 

回答は以下のとおりです。

いつもありがとうございます。

喉の痛み・頭痛・胃がムカムカ・下痢 >> 葛根湯
肩凝り・ノドの透明な液・鼻の通り悪い・背中と腰が痛く・軽い目眩・疲れやすい

◉肩が痛い、背中が痛い、胃の調子悪い、頭痛、下痢。
◉持病 >> パニック障害、悪さする胆石

ということですね。

東洋医学的な所見

症状がいろいろありますが、これだけではなんとも言えないというのが正直なところです。顔写真を含めた上半身の写真、あと舌の写真があれば、相当のことが分かります。 (メッセンジャーでの送付は不可です)  よければお願いします。

胆石があるということ、胃症状などから、たとえ数値は正常でも肝機能が落ちている (肝臓が疲れている) といえます。 >> 質問者からの回答によると脂肪肝があることが分かった。

肝臓を良くする方法は分かっていませんが、これが良くなれば体は新品になります。肝臓は子宮と同じで、人体を作る働きがあるからです。肝臓が疲れていれば、不良品の人体が生まれます。肝臓が元気ならば、イキのいい人体が生まれます。肝臓を良くする方法について、詳しくは「“肝臓” を考える…東洋医学とのコラボ」を参考にしてください。

葛根湯の用い方

葛根湯は麻黄が入っており、麻黄にはエフェドリンが含まれています。エフェドリンは、解熱・鎮痛の効果が期待できる有効成分です。一方で、幻覚や覚醒の副作用があり、ドーピング検査にも引っかかる成分です。

エフェドリンは交感神経興奮剤です。

もともと葛根湯は《傷寒論》が出典で、《傷寒論》では、太陽病 (悪寒、浮脈、後頭部〜項の強張り) に、悪風、肩背部にかけての強張り、汗が出ない…が加わった証候が成立した状態 (葛根湯証) にのみ、葛根湯を用います。特に悪寒・浮脈・無汗は重要で、それらがない時は自己流で使用せず、かならず専門家の指導を受けてください。あたり前のことですが、自己流で安易かつ頻繁に用いたりせず、証による診断を受けたうえで、正しい使い方をされることをおすすめします。葛根湯は大切なお薬だけに、丁寧に使ってください。

ちなみに「カゼに葛根湯」は日本の文化です。
韓国ではカゼを引いたら双和湯と言われます。

  • 太陽之為病、脈浮、頭項強痛、而悪寒、
  • 太陽病、項背強、几几、無汗、悪風者、葛根湯主之、
《傷寒論》

過度に興奮させると、疲労があっても疲労を感じにくくさせる可能性があります。疲労があるのに疲労を感じないということは、押入れに疲労をつめこむということです。たとえば「沈黙の臓器」である肝臓などをイメージするとわかりやすいでしょうか。問題があっても問題が見えない代表的な臓器です。

罷極とは… 疲労って何だろう」を参考にしてください。

シェディングについて

SNSなどで取り沙汰される、いわゆる「シェディング」 (コロナワクチン接種者の体から有害物質が発せられて近くにいる人が悪影響を受けるのではないかされる現象) についてですが、僕は全く気にしていません。

ワクチン接種済みの患者さんはたくさん来られますが、それで体調がおかしくなることは、僕に関しては全くありません。

逆に、変なこだわりを持ったほうが、そのこだわりによるストレスで体調不良になる可能性が大です。この広い世界、自分でわざわざ狭くするのは得策ではありません。たとえシェディングがいくらかの害があったとしても、人間をふくめた生物には必ず耐性があり、その耐性の力を信じたほうがどれだけ得か分かりません。

郷に入っては郷に従えです。たとえ有害物質の中で暮らさざるを得ないとしても、その世の中を変えるわけには行かず、またこの世の中から多大な恩恵を受けていることは事実です。この世の中で生きる以上は、無菌室で暮らすわけには行かないのですから、世の中の諸悪 (必要悪) を受け入れる度量こそが大切です。「こだわりは自傷行為」を参考にしてください。

また体には解毒作用というものがあり、それは肝臓が主に行います。少々の異物が入ってきても肝臓が解毒します。そのためには肝臓が生き生きとして元気であることが必要です。肝臓をいかに元気にするか、それは心と体の環境を良くすることが最も大切です。

ストレスがあると肝臓の再生能力は十分に発揮できないと考えます。 再生能力とは、4分の3切り取られても元通りになる肝臓の奇跡的な力のことで、詳しくは上記の「“肝臓” を考える…東洋医学とのコラボ」を参考にしてください。

どうか心と体をお大事に、健康を回復されますように。

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