「この体」の成り立ちを考えてみる。
母の卵子と、父の精子が合わさった。
細胞分裂して、体ができた。
その体は、驚異的なほどに精巧に、
うまくできている。
たとえば血管は、つなぎ合わせると地球を2周半する長さを持つ。
それを、わずか3ヶ月で作り上げる。
人体の軟部組織は、3ヶ月で完全に入れ替わるからだ。
生まれてこの方〇〇年、いったい地球何周分の血管を作ったのだろう。
うまくできている。
すべて人間業ではない。
まして37兆個とも言われる細胞が、一糸乱れぬ連携を保っているのは…。
奇跡的偶然!
いや。
最初から、そのようにプログラムさていた。
そう、必然なのだ。
自然の摂理。それは非常にうまくできている。
いや、うまく作られているのである。
体だけではない。
この世の中すべてがそうである。
めぐる太陽。四季おりおりの美しさ。生き生きと生い茂る木々。
見れば見るほど、知れば知るほど、
この世界はうまくできているのである。
この世界のなかで、僕という一個体は、微々たるその一歯車に過ぎない。
この身体のなかで、細胞という一組織がそうであるように。
一切はその、「うまくできている」なかの一事に過ぎない。
たとえば陣痛は、妊娠出産という「うまくできている」なかの一事である。
だから、痛くても受け止める。苦しくても喜ぶ。
痛いからといってグチを言ってはだめだ。
苦しいからと言って怒ってはだめだ。
だから、
いちいちグチを言った俺が悪かった。
いちいち怒った俺が悪かった。
ごめんなさい。
ああ、ごめんなさい。
何もできないくせに。
血管すら作れないくせに。
すべてを大自然の力から得ているくせに。
そんな自分が大自然よりも偉いさんになって、うまくいくわけなどないのに。
出過ぎた口を。
偉大な自然に、わびる。
うまくできた大自然のなかで。
いま得た。
大自然に従う。
この謙虚さをもって、
感謝する。
その心をもって、
さあ、今日も懸命に生きよう。
よし、今日も懸命に祈ろう。
自然はうまくできている。
その大自然に従う。
それは自然の成り行きをもたらす。すなわち、
うまくできたこの自然から、うまく行く道は自然に与えられる。