ホッとする方法

年の瀬も押し迫り、仕事納めもすぐそこだ。

一年間、ご苦労さま。

これでやっと、ホッと一息つける。

ホッとするのは大切なことだ。仕事で心をも体もカチカチに緊張させたままでは持たない。緊張に耐え続ければ筋金入りの棒といえども、やがてポキっと折れてしまう。

罷極とは… 疲労って何だろう
肝は罷極の本、これは《素問・六節藏象論》の有名な言葉です。罷とは強い力をダラッとさせる。極とは平気な顔をしながらも耐えている。これは字源から得られる字義です。疲労という漠然とした概念に、ハッキリとした輪郭が見えてきます。

一方で、

ホッとするのは良くないことだ。今まで力づくで抑え込み詰め込んでいた疲労や悪習が、コルクを抜いたシャンパンのように、とめどなく吹き出し、年明けは体調不良が続出する。

気閉はコルク栓… 感謝と謙虚で栓を抜く
気閉と気脱は陰陽です。この2つをコルク栓の開け閉めにたとえて説明します。気閉も気脱も重症をイメージさせますが、慢性的な軽症にも当てはめてかんがえてみましょう。そのとき、症状の緩解と悪化を繰り返すカラクリが見えてくるかも知れません。

どちらも良くない。では、どうしろというのか。

油断大敵。気を抜かない。いつも真剣勝負。これが大原則。
しかし、仕事のことは忘れて、気を抜かなければならない。
つまり、仕事以外でかわりに気を張り、真剣になることを作るのだ。

何に真剣になる?

感謝である。

たとえば常に寄り添ってくれるパートナーに。
たとえば常にそこにいてくれる宝物…我が子に。
たとえば常に親身になって見守ってくれる親に。
常にそこにある、いつもここにいる、ありふれた日常に。
空気に、水に、火に、土に、そしてこの命に。

白米 (ありふれた日常) を、目をとじて噛み締めてみる。その「命」に秘められた甘味 (恩恵) を、全気力を集中して感じ取ってみる。力を抜いては味わえない。思いっきり気を張り集中して、その甘味を全力で味わえば…。

心の底からホッとする。ああ、これが感謝だ。

瞳をとじて白米を
感謝は体にいい。その理由は、人間というものが感謝されることを好み、感謝されると元気になるからだろう。体も人間である。だから体も元気になるのだ。ただし感謝は難しい。だが、誰でもできる簡単な方法が食事の摂り方で得られる。

休みに入ったからといって、油断してはならない。仕事以外に向き合うべきものが確かにある。それに、真剣に向き合う。

感謝に使う脳と、仕事に使う脳とでは、その場所が違う。
感謝で使う場所を使えば使うほど、仕事で使う場所は使われなくなる。
仕事で使う場所はおもいっきり休まるのである。

つまり、感謝に気を使えば使うほど、仕事の緊張 (ストレス) は消えていくのである。シーソーである。

健康の “ズルい” うらわざ 〜片頭痛および類天疱瘡の症例から〜
▶デキモノと痰湿 ▶コントロールできる部分に集中する ▶ズルい裏技 ▶地味なものほど有り難い? ▶どこに神経質になるか ▶“常に真剣” は体にいい ▶“勝負事” は体によくない

この正月休み、このシーソーを大きく動かしてリフレッシュしたい。

これが究極の「ホッとする方法」だ。

感謝ばかりでもいけない。仕事もせねば。
仕事ばかりでもいけない。感謝もせねば。
感謝と仕事は、自分自身を成長させてくれる車の両輪だ。

一年間、ほんとうにおつかれさま。ありがとう。

やがて来る年、

皆様方にはますますの成長と、

大き実りがありますように。

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