流注 (動詞・名詞)

古代中国人は、どういうイメージで漢字を用いたのでしょうか。

素問・霊枢・鍼灸甲乙経・十四経発揮・奇経八脈考など、古典の記載を調べていると、漢字の意味がイメージできないという壁があります。とくに経絡の流注 (循行) を勉強していると、動詞に関しては繰り返し何度も出てきます。数はそんなに多くありません。一度イメージができると何度も使えます。

たとえば絡・繞はどちらも「まとう」と訓まれます。また、繞・循は、どちらも「めぐる」と訓読されます。しかし、字が違えば意味にも違いがあるはずです。このニュアンスの違いを字源・字義にさかのぼって区別します。

流注 (動詞・名詞)

還とは… 経絡流注の字源字義

「還」とは、元の位置にもどるという意味があります。さらに、円形にグルっと回って元の位置に戻るというイメージが付け加えられます。グルっと遠回りして戻って来るとイメージしてもいいでしょう。
流注 (動詞・名詞)

散とは… 経絡流注の字源・字義

「散じる」とは、単に散ることではありません。散ることによって、新しい何かが生まれる意味があります。「散」の字源は「麻」にあります。 麻の茎を割いて分断し、それを織物として融合させます。乱麻…麻のごとくに乱れ、散って誕 (う) まれるのです。
流注 (動詞・名詞)

乗とは…経絡流注の字源・字義

乗 【訓】のる「乗」の本字は「乘」である。「乘」の字源は、人が木の上に乗ることである。後に、足の意味を持つ「止」が付け足された。「北」のように見える部分は、両足を示す。両足で踏んづけて上に乗ることが、「乗」の字義ともなる。
流注 (動詞・名詞)

廉とは

廉の字源・字義廉 【訓】かど レン「廉」は「广」+「兼」。兼の字源「禾」は稲などの穀物が実るイネ科の植物。「兼」は「禾禾+又 (手) 」 よって、「兼」は、1つの手で2つの稲穂 (禾禾) を持つ。あわせ持つ。→「兼ねる」。これが基本イメージ...
流注 (動詞・名詞)

営とは…営気の字源・字義

「営」の本義は、周囲を垣や土塁 (敵の侵入に備えて作った盛り土) で囲んで居座ることである。よって「めぐる」「めぐらせる」「取り囲ようにめぐらせる」の意味となる。守る・防ぐといったイメージが付随する。「取り囲むようにめぐらせる」が、「土地の...
流注 (動詞・名詞)

与とは… 経絡流注の字源・字義

与 (與) の字源・字義 与 (與) 【訓】あたえる ・〜と與。黨與也。从舁从与。《説文解字》【訳】與。黨與である。舁と与からなる。黨 (党) … 光が当たらず暗い。意義展開して、暗いところ・見えないところで結託した仲間のこと。黨與 (党与...
流注 (動詞・名詞)

注とは… 経絡流注の字源・字義

注の字源・字義注 【訓】そそぐ灌也。从水主聲。《説文解字》液体が柱のようにまっすぐに流れる様子。容器の口から注ぎ込む。上から下の容器に灌(そそ)ぎ込む。意義拡大して、集中・凝集・限定。「注視する」「注意する」挹彼注兹.《詩経》 【訳】あれ(...
流注 (動詞・名詞)

稟とは…経絡流注の字源・字義

稟の字源・字義稟 【訓】うける 「禀」は異字体。賜穀也。从㐭从禾。《説文解字》【訳】穀を賜るなり。㐭と禾から成る。「㐭」とは、くら・米くら。「禾」とは、稲のこと。たわわに実ってしなだれた稲。「稟」とは、とくに高官から褒美(ほうび)として与え...
流注 (動詞・名詞)

従とは…経絡流注の字源・字義

従の字源・字義従 【訓】したがう 〜から (〜より) 從.隨行也。《説文解字》随行とは、高貴な人に従って同行すること。從.隨行也。… 釋詁曰。從、自也。… 王肅曰。從、順也。左傳。大伯不從。是以不嗣。謂不肎 (≒肯) 順其長幼之次也。引伸為...
流注 (動詞・名詞)

繞とは…経絡流注の字源・字義

繞の字源・字義繞 【訓】めぐる。まとう。 繞.纏也.《説文解字》纏 (まとう) とは、比較的太い縄やひもが、盤繞すること。「盤繞」とは、しっかりと巻き付き絡みつき、くっついて離れない様子。また捆扎すること。「捆扎」とは、ばらばらにならないよ...
流注 (動詞・名詞)

絡とは…経絡流注の字源・字義

絡の字源・字義絡 【訓】からむ。まとう。つなぐ。絡.絮也.《説文解字》絮とは、繭を水にひたして裂いてつくった真綿のことです。繊細な糸がまとわりつき、じんわり水が染み込んでいるイメージです。「各」には、訪問する…という意味があります。その意味...
流注 (動詞・名詞)

循とは…経絡流注の字源・字義

循の字源・字義循 【訓】めぐる。したがう。循.行順也.《説文解字》行順とは、巡行することです。また行順は、従順に行うという意味から、・遵守すること、・依照(規定・規準・慣例などに従う、基づく、依拠する)すること。・沿袭 (古いしきたりを踏襲...
流注 (動詞・名詞)

抵とは…経絡流注の字源・字義

抵の字源・字義抵 【訓】あたる・ふれる・うつ抵.擠也.《説文解字》擠とは、詰まる。こみあう。押し合いへし合いする。重なる。集まることです。臓腑経絡学での読み方膀胱足太陽之脉.…下項.循肩髆内.挾脊・抵腰中.《霊枢・経脈10》【訳】足太陽膀胱...
流注 (動詞・名詞)

至とは…経絡流注の字源・字義

至の字源・字義至 【訓】いたる至.鳥飛从高下至地也.《説文解字》【訳】鳥が飛び、高いところから下って地に至るのである。象形文字で、矢が地上に落下して突き刺さることを表すという説もあり、こちらが一般的なようです。これ以上進めないところまで達す...
流注 (動詞・名詞)

会とは…経絡流注の字源・字義

会の字源・字義会 【訓】あう・あつまる・あつめる・かいす・えす會.合也。从亼.从曾省。曾.益也。.《説文解字》【訳】會は合である。亼と曾からなる。曾は益である。亼 (会意文字) シュウ (=集) は、△で、三方から集まってくる意味。曾は、甑...
流注 (動詞・名詞)

合とは…経絡流注の字源・字義

合の字源・字義合 【訓】あう がっす合,合口也。《説文解字》「合」は、(開いた) 口を閉じることである。蓋 (ふた) が合うことである。象形文字・会意文字、二説がある。象形文字とする説では、「亼」と「口」があわさってできたとする。器と蓋がち...
流注 (動詞・名詞)

起とは…経絡流注の字源・字義

起の字源・字義起起 【訓】おこる  おきる起。能立也。从走巳聲。《説文解字》起は「よく立つ」ということである。走と巳からできている。起。能立也。…五經文字云从辰巳之巳。是。字鑑从戊己之己。非也。《説文解字注》起の巳は、子丑寅卯辰巳午未申酉戌...
流注 (動詞・名詞)

結とは…経絡流注の字源・字義

結の字源・字義結 【訓】むすぶ結,締也。《説文解字》上古結繩而治。《易·繫辭》吉.善也。《説文解字》「結」とは、好意的な意味を含んで連結したヒモ・ロープ。左の「糸」は結び目を作れるようなヒモ・ロープ。右の「吉」は「善い」と言う意味がある。「...
流注 (動詞・名詞)

繋 (系) とは…経絡流注の字源・字義

繋の字源・字義 繋 【訓】かかる つながる系の繁体字である。系.約束也。《説文解字》「系」とは、制約・束縛である。厳密には、「系」と「繋」はちがう。“系”始见于商代甲骨文,其字形像手持两股或三股丝,意思是连接、联系,后引申为继承、再引申为世...
流注 (動詞・名詞)

貫とは…経絡流注の字源・字義

貫の字源・字義貫 【訓】つらぬく錢貝之貫。从毌、貝。《説文解字》「毌」は、丸い貝を紐で貫いた形を示す象形文字。うがつ・つらぬく。「貫」は、方孔錢 (四角い穴の開いた丸い硬貨) にひもを通す様子。穿つ・通す・連ねる。→慣・習慣。 貝は硬貨を示...
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