夏の病の治し方

毎日暑いですね。夏は苦手という方もおられると思います。しかし景色を見渡してみてください。草木繁茂し自然は夏を謳歌しています。暑いからといって負けていません。

なんでこんな暑いのに植物はこんなにも健気なのか。それは、冬にやるべきことをやったからです。やるべきこと? それは陰のチャージです。陰とは、「安らぎ」「落ち着き」「くつろぎ」です。確かにそうですね。冬の植物はみんな大人しい。動物も冬ごもりです。冬につちかったパワーが、いま生きているのです。

ところが人間はというと、冬の方が元気です。この夏よりも昨冬の方が活動的だったという人がほとんどではないでしょうか。冬に得るべき陰をチャージしないまま、記録的猛暑の夏を迎えてしまった。何も勉強しないまま、定期テストを迎えたようなものです。これはもう、後の祭りだ。後悔先に立たず、とはこのことです。夏バテは夏が去るまで待つしかない。

ということはありません。冬に充電し損ねた陰は、夏であってもまだ充電できるチャンスがあります。それは夜です。夜にフトンで横になる。フトンで横になって、「安らぎ」「落ち着き」「くつろぎ」を得る。眠れなくても構いません。信じてください。信じれば「安らぎ (陰) 」が得られる。虫の声でも聞いていればいい。照明器具を持たない古代人が過ごした長い夜をイメージしていればいい。

猛暑でバテてしまった人は、無理に動いたらあきません。充電が完了するまで待つのです。そしたらまた放電して起動することも可能になります。

でも難しいですね。バテている人の特徴として、夜になったら元気になるからです。明るいうちは動けず、暗くなってから活動を始める。これじゃ、冬に元気で、夏にぐったりしてるのと変わらない。負のサイクル、まずはそれを知ってください。

いいサイクルに戻しましょう。いいサイクルとは、この大自然が営むサイクルのことです。そのサイクルのことを「生長収蔵」と言います。我々は大自然の一部です。これを離れては一瞬たりとも生きることは叶いません。空気とか水とか土とか、大自然に我々はどれだけ依存していることか。

このサイクルを離れると、「死ぬ」。
僕が思いつきで言っているのではありません。《素問・四氣調神大論》が言っている事です。心せねばなりません。

冬病夏治・夏病冬治
東洋医学には、冬病夏治・夏病冬治という言葉がある。冬の病気を、夏の間に予防・治療する。夏の病気を、冬の間に予防・治療する。そういう意味である。では、具体的に何を行えばよいのか。東洋医学の原理にのっとって説明する。

夏バテは夏の病です。夏の病は、冬に作っています。だから、それを治そうと思えば冬にどう過ごすかが大切になります。一日二日で解決のつくものではない。一日単位の問題ではなく、年単位の問題なのです。年単位で取り組むべき重要事項なのです。クーラーや冷食に依存して、これを見逃していては何の解決にもなりません。

年単位で取り組むべき、日々の養生。

まずは今できること。

早く寝なさい。

早く寝なさい!
「早寝早起き」について、東洋医学的に考察する。《黄帝内経・靈枢・營衛生會》に言及がある。症例を添えつつ、《靈枢》の記載に基づいて説明する。ポイントは子の刻 (23時〜1時) である。

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