花粉症…東洋医学から見た5つの原因と治療法

春先、急に暖かくなる日があります。このタイミングで多くの人が一斉に鼻炎や目痒を発症します。

花粉症を語る上で、花粉の飛散を原因として考えることは必要です。しかし、花粉そのものを我々の力でコントロールすることは限界があります。よって花粉を相手とせず、体質というもう一つの原因に着目する、これが東洋医学の見方です。

▶花粉症の特徴と分析

花粉症の特徴は、

・かゆさと炎症
・鼻水と涙
・春と秋に出やすい
・気温の上下で悪化しやすい

これらが挙げられます。これらを分析しながら、人体生命の生理と花粉症の病理を説明していきます。

▶かゆさと炎症 >> 邪熱

かゆさの本性は邪熱です。炎症の原因も邪熱です。東洋医学では、真っ赤なものを熱と表現します。

とにかく、鼻や目に邪熱がある。これは、どんな花粉症にも言えることです。いかにしてこの邪熱を冷ますか、それがポイントです。

邪熱の原因は、
・ストレス
・飲食過多
・気温の急上昇 の3つです。

▶ストレス

ストレスとは精神機能の滞りです。滞りは生命に緊張 (気滞) をもたらします。緊張は “ギュッと圧縮すること” で、圧縮は熱を生みます。熱は上に上りやすく、とくに人体上部の穴 (目・鼻・喉・耳) は炎症の起こしやすい部位です。

簡単に言うと、ストレスでカッカして熱くなるんですね。

精神機能、とくに感情面 (ストレス) は肝が支配します。つまりストレスによる気滞や、それが高じて起こった邪熱は、肝の気滞 (肝鬱気滞) であり、肝の邪熱 (肝鬱化火) です。

肝鬱気滞は、肝気鬱結 (肝がストレスで病んだ状態) して気滞が起こったものです。

肝鬱化火は上に昇ったり (肝火上炎) 、横にある胃に侵入したり (胃熱) します。

▶食べすぎ

邪熱は、食べ過ぎでも起こります。

1.量的な食べすぎ
2.肥甘厚味の品の摂りすぎ
3.辛辣燥熱の品の摂りすぎ

過剰な飲食物は「余り」を作ります。これは痰湿となり (後述) 、痰湿のもつ気滞が化火すると湿熱になります。湿熱の熱の部分は邪熱です。

  • とくに、肥甘厚味と呼ばれる品目は「余り」を作る力が強大です。肥りやすい食品・甘い食品・味の濃い食品です。これらは「素朴な味」とは反対のものです。肥甘厚味は、昔に比べて食卓にのぼる量が飛躍的に増えています。こういう歴史的急変はアレルギーを考える上で最も着目すべき点です。食文化の欧米化・産業の近代化によってどういう変化が食糧事情に起こったのか。この肥甘厚味については、現代の食糧事情に合わせ、またアレルギーの特徴に合わせて、具体的にどういう食品のカテゴリーが良くないかを考えていく必要があります。中医学にとっても、これからの課題といえるでしょう。

辛辣燥熱と呼ばれる品目は、量的な食べすぎがなくとも、直接邪熱となります。

▶気温の急上昇

気温の急上昇は熱 (温邪) そのものが生命に影響します。急に気温が上がったときに花粉症がひどくなるケースです。

気温が高くなって熱くなるのは分かりやすいですね。

でもこれが一番複雑だったりします。後に説明します。

▶鼻水と涙 >> 痰湿・水邪

次に、鼻水 (涙) の原因です。

これは循環ルートに入り切らない体液と考えます。つまり、あふれてルートから外れてしまったのです。こういうものを痰湿 (あるいは水邪) といいます。痰湿はネバネバで、水邪はサラッとしているとイメージします。

お腹にはバケツのような容器があると考えてください。飲食したとき、ここにスーブ (飲食物) が八分目 (腹八分) 入るのが理想的です。ところが、満タンにしてしまうと、何かの拍子に溢れてしまいます。その溢れたものが、鼻水や涙になります。

つまり、飲食過多によって痰湿が生じるのです。痰湿・水邪は、容器から溢れ出たスープのことです。

またこの容器は、体に負担をかけると小さくなってしまうことがあります。そういうときは、普段どおりの食事量でも溢れ出てしまいます。

  • 痰湿とは << 正気と邪気って何だろう をご参考に。

そもそも痰湿 (水邪) は、元は水ですので重く、下にさがる性質があります。ところが花粉症の場合、人体の最上部である目や鼻に溢れた水が持ち上がります。この現象は、水以外の何かが働きかけ、上に水を持ち上げていることを意味します。

それが肝気上逆です。内風とも言えます。

▶春と秋に出やすい >> 肝気逆・脾気虚

▶春に出やすい >> 肝気逆

まず、肝気上逆を説明する前に、肝気逆から説明します。肝気逆は、肝鬱気滞から発展変化して起こります。

肝気逆は、肝気上逆と肝気横逆に分類されます。

  • 肝気上逆とは、簡単に言うと “気がのぼる” ことです。腹を立ててカーッとなると気が上りますね。これも肝気上逆です。
  • 肝気横逆は、ストレスを強く感じた肝気が、過って横にある脾を攻撃することです。攻撃された脾は弱り、脾気虚となります。この脾気虚は肝気を叩けば治ります。

一方で気が上り、一方で脾が弱る。肝気は上逆も しやすくなっていますので、上逆と横逆を交互に行うこともあります。

肝気はもともと上にのぼるものです。正常な上り方をすれば、頭が冴えて頭脳明晰・判断的確です。しかし、異常な上り方をすると、頭部に症状が出るのです。体が異常 (不健康) だと、とうぜん肝気も異常となります。

また、肝はもともと脾と陰陽関係にあって、夫婦のような親密さがあります。正常な両者の関係なら、肝 (夫) がシッカリしていればいるほど、脾 (妻) もシッカリします。異常な両者の関係なら、肝がシッカリしていればいるほど、脾はダメになります。

  • 肝と脾の関係 << 東洋医学の肝臓って何だろう (続編)  をご参考に。

春の花粉症は、主に肝気上逆で説明します。

異常な肝気が上にのぼりやすい状態は、春特有の木の芽時が関係します。またスギやヒノキのような、上に伸びる力の強い植物によって非常に触発されます。肝鬱気滞から発展した肝気上逆は、気滞化火から熱を持ちやすく、それが上にのぼると上部 (鼻・目) に炎症をもたらします。

「内風」という角度からも説明します。春の強風 (外風) に煽られて花粉が飛散するように、肝気が上に昇る力が強いと、その勢いで「内風」を生じます。外風があるときは花粉症が悪化しやすいですね。しかし、これだけで悪化するのではなく、この内風があるからこそ、内外が通じ合って、体内に風が舞い起こり、それが鼻をムズムズさせると考えます。内風は、肝気上逆だけでなく、邪熱によっても起こります。熱は上昇気流を生みますね。先出の「かゆさと炎症 >> 邪熱」を思い出してください。

これが春の花粉症の基本となる病理です。

▶秋に出やすい >> 脾気虚

肝は正常でも、脾が弱すぎる。

そういう異常があると、相対的に肝気が異常に高ぶり肝気上逆が起こります。「この肝気上逆」は、脾を強くしなければ治りません。

  • 肝と脾の関係 << 東洋医学の肝臓って何だろう (続編)  をご参考に。

この病理を反映するように、スギやヒノキほど上に伸びる力が強くない、そういう植物の花粉に反応してしまいます。

これが秋の花粉症です。多くは夏の暑さで最低限の運動ができていないこと、暑さで食欲が落ちているのに無理に食べたり、あるいは夏の冷たい飲食で、脾が弱くなりすぎたことが原因です。

飮食勞倦.則傷脾.<難経・四十九難>

脾が弱ることを脾気虚と言います。脾は水をめぐらせる機能を持ちますが、これが弱って痰湿・水邪を生じやすくなります。

一方、脾気虚があると腹部の冷えも伴います。夏場に急に腹部が冷やされたため、それまでそこに存在した温かみ (陽気) は、冷えに追い出される形で上に落ちのび、邪熱に変化します。これを格拒と言います。

  • 格拒とは << 傷寒論私見…甘草乾姜湯・芍薬甘草湯・調胃承気湯・四逆湯〔29〕 をご参考に。

肝気上逆とともに、この邪熱も上昇し、水邪も上昇します。秋に鼻に炎症を起こして鼻水が出るのはこのように説明します。ただし、こういう邪熱や水邪を取ろうとせずに、脾を補うことで治してゆくのです。

もちろんこれは秋ばかりではなく、春の花粉症でも見られます。
また秋の花粉症でも、春のように肝気が高ぶる原因があれば、それを治療することもあります。

▶気温の上下で悪化しやすい >> 外邪・正気の虚

▶外邪

もう一つ、本来、下に降りやすい痰湿 (水邪) が人体の上部に出やすい理由として、外邪の影響が挙げられます。外邪は人体上部に症状が出やすくなります。外邪とは何でしょう。

花粉症は気温の上下で悪化しやすいですが、こうした気候変化の悪影響のことを「外邪」と言います。外邪は外から人体生命に侵入し、まず浅い部分を犯します。

外邪には、風邪・寒邪・湿邪・暑邪・燥邪・熱邪があります。熱邪は火邪と言われることもあり、同義です。

それらとは別に、温邪というのもあります。

温邪とは、それら外邪の中に内蔵される “陽熱性” のことです。この陽熱性が主として現れるとき、温邪という表現を使います。

暑邪は熱くて当たり前ですね。風邪は動き回る性質があって陽熱を秘めます。湿邪も気温が高いほど飽和水蒸気量が多くなりますので陽熱と性が合います。燥邪も熱から生じることがあり関連があります。

風熱・湿熱・暑熱・燥熱と表現します。

寒邪はそういう表現がありません。熱との相性が悪いからです。ただし寒邪といえども陽熱性を内蔵しています。例えば内陥化熱はよく知られています。その他にも寒邪伏蔵化熱 (伏気温病・春温) も挙げられます。寒邪は体内に入らないと熱にはなりません。

外邪のうち、花粉症と関係が深いのは、風邪と寒邪、そして温邪です。これらが絡むと、急に花粉症が悪化します。

風邪はデタラメに疏泄 (めぐること) します。ですから、本来は小便で出るべき水邪が、鼻から出てしまいます。デタラメに疏泄するのは外邪のうちで風邪のみです。

寒邪は皮膚の浅い部分に張り付き、気のめぐりを阻害します。すると、人体上部に持ち上げられた水邪あるいは肝気が、全く下に降りられなくなります。また人体上部にこもった邪熱が、魔法瓶のように寒邪に阻まれ、発散できなくなります。

温邪とはここでは「風熱」のことです。温邪におさかされた状態を「温病」といいます。風邪以外の外邪は、すべて気のめぐりを阻害します。温邪は、風邪としての性質と、熱邪としての性質を両方兼ねています。デタラメに疏泄しつつ、気のめぐりを阻害し、しかも炎症をもたらします。

▶正気の虚

外邪を受ける理由は、そもそも受け手の体が弱いからです。

正気存内.邪不可干.<霊枢・刺法論 72>

弱いのは正気 (生命力) が弱いからです。正気はまず優先的に五臓六腑…つまり “内” に補充されます。それで正気になお余りがあれば、 “外” にバリア (衛気) として活用されます。もし余りがなければ、バリアは機能せず、外邪の侵入を許すこととなります。

また、冷たい飲食の摂りすぎは、衛気の本拠地とも言える肺を直接弱らせ、バリアを効かなくします。現代人は冷たいものを摂り過ぎます。数百万年と言われる人類の歴史は、火とともにあります。冷蔵庫がない時代を衛生的にクリアできたのは食材や水に火を通すことを覚えたからです。

現代は、冷やすことで衛生を保つようになりました。衛生を保つのはその方法でいいのですが、そのために、かつてないほど冷たい飲食物を摂る機会が増えたと言えます。温めることの大切さが置き去りになっています。

形寒寒飮.則傷肺.<霊枢・邪氣藏府病形 04>

【訳】薄着や冷たい飲食は、肺 (防御作用など) を傷つける。

▶正気と「温かさ」

分厚い鉄板にライターの火を近づけても、すぐには熱くならず温かくなります。温かくなると、火を遠ざけてもすぐには冷たくならず、温かい状態が続きます。

薄っぺらい鉄、例えばアルミホイルにライターの火を近づけると、すぐに熱くなります。遠ざけるとすぐに冷たくなります。真ん中の「温かい」がありません。

分厚さ・薄さというのは、「正気の分厚さ・薄さ」です。

以上を踏まえて、各証を見ていきましょう。

▶外感

▶風寒

風邪と寒邪の影響を受けたものです。

  • 鼻粘膜の腫脹、色は薄い。
  • 鼻閉はやや重度。
  • くしゃみがよく出る。
  • 鼻水はサラッとしていて、ポタポタ落ちる。
  • 頭痛、悪寒、発熱。
  • 口中は潤っていて水を欲しがらない。

鍼灸…外関・申脈など。

▶風熱

温邪 (風邪+熱邪) の影響を受けたものです。

  • 鼻粘膜の腫脹、色は赤い。
  • 鼻閉は時に軽く時に重い。
  • 鼻が痒く、息が熱い。
  • くしゃみ。
  • 鼻水は黄色くドロッとしている。
  • 頭痛、咽痛、悪寒、発熱、咳、痰が切れない。
  • のどが渇いて水を欲しがる。

手の井穴・外関・内関など。

▶内傷

▶肺脾気虚

正気の弱りにより、外邪に対抗するバリアが弱くなった状態です。
同時に、脾の弱りによる肝気逆も伴います。

こういう体質 (火薬) が、花粉や外邪 (引き金) に刺激されて、花粉症として暴発します。

  • 左右交代で起こる鼻閉。
  • 鼻閉は時に軽く時に重い。
  • 鼻水はサラッとしていて、ポタポタ落ちる。
  • 寒いと悪化する。
  • 頭がやや痛い。
  • 鼻粘膜の腫脹、色は薄い。
  • 咳を伴うことがある。痰はサラッとしている。
  • 息がハアハアする。食欲不振。体がだるく力が入らない。軟便になりがちである。

鍼灸:中脘・脾兪・公孫など。

▶肺熱蘊積

肝火上炎型・湿熱型・胃熱型があります。いずれも、熱は上にのぼりやすいので、最終的に肺に熱がこもります。肺は上にあって、ナベでいえばナベブタのようなものです。蓋 (フタ) をしたお鍋で下からグツグツ煮ていると、最終的にフタが熱くなりますね。

肺は鼻に通じていますので、鼻に炎症が起こります。

肺主鼻.<素問・陰陽應象大論 05>

こういう体質 (火薬) が、花粉や外邪 (引き金) に刺激されて、花粉症として暴発します。

  • 左右交代で起こる鼻閉。
  • 鼻閉は時に軽く時に重い。
  • 鼻水は黄色くドロッとしている。
  • 暑いと悪化する。
  • 鼻粘膜のハッキリした充血。やや深い赤。
  • 吐く息が熱い。
  • 頭痛。
  • のどが渇く。口内乾燥。
  • 便秘。

肝火上炎は肝気上逆に熱を伴ったものです。

湿熱は食べすぎが原因ですが、異常な食べ過ぎはストレスから逃げるためであることが多く、原因は肝鬱気滞であることがほとんどです。肝鬱気滞が原因となって、肝気逆 (肝気上逆あるいは肝気横逆) が起こりますので、結局は肝気上逆を伴い上に炎症が出ます。

胃熱は肝火が横にある胃に波及したものですから、肝気横逆に近い概念です。これも肝気に問題があるので肝気上逆を伴います。

こうした上逆が、上に体液を持ち上げ水邪化しつつ、炎症も起こすのです。

邪熱の原因は、ストレスと食べすぎだと言いましたが、このように肝脾が関わります。

鍼灸:百会・後渓・上巨虚・霊台など。

▶気滞血瘀

慢性化した鼻炎を伴います。ふつうはシーズンが過ぎ去り特定の花粉がなくなると鼻炎は消失します。しかし、瘀血を形成すると花粉がなくなっても鼻炎が持続します。もちろん、花粉の時期は鼻炎がよりひどくなります。

  • 鼻粘膜の腫脹、色は桑の実のような暗色。
  • 鼻閉が持続しひどい。
  • 嗅覚が鈍い。
  • 鼻汁はドロッとしている。黄も白濁もある。
  • 頭が痛い。
  • 口内・咽喉が乾燥する。
  • 耳鳴・難聴。
  • 舌に瘀斑がある。

気滞が長引いて推動作用が低下すると、血の滞りが生じて血瘀となります。血瘀の原因は気滞です。気滞はほとんどが肝鬱から生じたものです。肝鬱気滞は肝気上逆の原因ですので、上にのぼりやすいために鼻炎を起こします。

上記の肺熱蘊積は、3つのパターンが有りました。これらは全て気滞を伴います。

肝火上炎は、元は気滞でした。緊張は熱に変わります。
湿熱は、痰湿がドロドロして進みにくいので気滞を伴います。
胃熱も、元は気滞でした。肝鬱気滞から化火し、それが胃に侵入したものです。

冒頭で詳しく説明しました。

気滞血瘀だけでなく、肺脾気虚や肺熱蘊積も強度のものであれば、花粉シーズンが去っても鼻炎が続きます。

鍼灸:臨泣・三陰交など。

▶まとめ

以上、風寒・風熱・肺脾気虚・肺熱蘊積・気滞血瘀の5つに分類しました。これらは単独で花粉症の原因となることは少なく、多くは複合して複雑な証を形成します。

その最もややこしい部分は、外邪が絡むところでしょう。とくに温邪が絡むと非常に複雑になります。

体質の改善を主として、鼻の炎症を止めることが重要です。シッカリと弁証し、正しく論治していくという基本が大切です。

▶今後を見据えた考察

ここまで、アレルゲンである花粉を、コントロールできないものとして重要視せずに展開してきました。しかし、スギ・ヒノキの花粉というものが何によってもたらされているかという考察は、とても重要です。個人の力で変えることはできなくとも、みんなの力を合わせればできるかも知れないからです。

花粉症の病理は毎年考えさせられるものがあります。まず、杉・桧の人工林の多さ、これは自然ではありません。ほとんどの山が頂上まで植林されていることにお気づきでしょうか。木は肝に通じます。ある種の木のみが大勢を占めるということは、肝の偏旺・肝の誤った高ぶりを意味します。

…肝.… 其類草木.<素問・金匱眞言論 04>

雑木林とスギ・ヒノキの植林地では、土が全く違います。土とは脾です。雑木林は土と落ち葉に境目がありませんが、杉山は少し掘ると粗い砂土が出てきます。雨水が土を直接打つからです。これは痩せた土、弱った土です。水を土にスポンジのようにとどめることができず、少しの雨で洪水を起こす原因になっています。まるで花粉症ですね。

雑木の場合は、幹を伝って静かに染み入るため、粘土質の土が流されません。年度は「団粒」と呼ばれる塊をつくり、これは通気性・透水性・保水性を具有したスポンジのような土壌のもとになります。豊かな土、強い土になるのです。

土 (脾) の弱りは肺脾気虚に通じます。

…脾.…其類土.<素問・金匱眞言論 04>

人工林はなぜこんなに増えたのか。われわれ一人一人の肝気が道をたがえてしまったからかもしれません。偏った種類の木 (肝) しかない山というのは、偏旺した肝気のことです。

我々の欲が一線を超えた。もともとあった自然林を伐採した原動力は、儲かるという “欲” です。それがいつのまにか山の色を変え、日本中の景色を変えた。気がつけば環境破壊にまで至ってしまっていたのです。そしてその欲は、いまや地球温暖化という段階を迎え、水害を始めとした自然災害が多発しています。

欲は、興奮 (偏旺した肝気) と水面下の弱り (脾気虚) を生みます。

偏旺” した肝気とは、肝気上逆・肝気横逆のことです。

偏った” 植物の種 (しゅ) とその花粉が “旺盛” なうちは、又そのために土砂災害が多発する現状が変わらないうちは、われわれは自分自身の肝の高ぶりと脾の弱りに、気を付け続けなければならないのでしょう。

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