痛みの意味
痛み。原因が特定されるものから原因不明のものにいたるまで様々です。原因不明といえば、たとえば線維筋痛症が浮かびますね。
東洋医学は、物質的な原因を求めません。機能的な原因のみにスポットを当てます。それはブレーキというたとえによって説明できます。痛みはブレーキなのです。
例えば足を骨折したとします。骨折は重症ですね。だから重症度に見合う激痛があります。もし、この痛みが無かったらどうなるでしょうか? 痛いからこそ動かさない。動かさないから骨がくっつく。骨折に気づかず歩きつつければ、骨がくっつくことはありません。
急がず無理せず
徹夜でマージャンが3日も続けは頭痛が起こるかもしれません。これはマージャンを止めるように促すブレーキなのです。もし痛みが出なければ、4日目、5日目と続きます。これは健康的とは言えません。
知らぬ間にスピードが出過ぎていた。速度をゆるめるためにブレーキが踏まれた。動けないのは心地よいものではありません。
人それぞれ、適度なスピードというものがあり、他人との比較はできません。それを超えるということは、その人にとっての無理がある証拠であり、生命力をおびやかすことを示唆します。知らぬ間に「つかれ」を蓄積してゆくのです。「つかれ」の蓄積は、やがて思いもよらない結果をもたらします。
この「つかれ」を治療で効率的に取りさえすれば、もうブレーキを踏む必要がなくなる。そのようにして痛みが取れていきます。
痛みを止めるとともに、疲労をも取っていく。そうすれば、自分のスピードで安全運転ができ、自然な活動量となります。これ以上の疲労を蓄積しないのです。
ケガは含まない
もちろんケガは疲労とは関係ありません。
交通事故などで負傷した場合、折れた骨や引けた皮膚などをもとに戻すのは、西洋医学におまかせするべきです。骨をつなぎ合わせ、皮膚を縫い付ける必要があります。
ここでいうのは、強くぶつけた等のハッキリした原因がない痛みです。あるいはケガが治るはずの日数を過ぎてもなお痛みが残る場合です。その前提で読み進めてください。
疲労を取る
たとえば原因がハッキリしていると思われる椎間板ヘルニアで考えましょう。じつはヘルニアを、免疫細胞が食べてくれるということが近年分かってきたのです。免疫といえば有害な「他者」であるウイルスなどを食べてくれたりするものというイメージですが、ヘルニアという「自己のもの」であっても、体にとって邪魔であれば、それを邪魔なものとして認識してくれるというのです。
腰痛…東洋医学から見た6つの原因と治療法 をご参考に。
椎間板ヘルニアは自然治癒する場合があるのですね。
疲労を改善することによって自然治癒力は高まる。疲労は痛みの原因である。そういう観点から、東洋医学は生命を見つめつづけています。
ヘルニアを除去して痛みを取る。
疲労を除去して痛みを取る。
ヘルニアは物質で、疲労は機能です。このように端的に考えてください。
さて、それでは東洋医学は、どのように疲労をとって痛みを治療するのでしょうか。まずは、痛みが起こるのはなぜか、東洋医学の観点で見つめてみましょう。
不通則痛
東洋医学では、あらゆる痛みの原因を、「不通則痛」と端的に表現しています。通じなければ、痛む。
では、何が「通じない」というのでしょうか。
また、何が「通じなく」させるのでしょうか。
通じないのは、モノではありません。東洋医学は物質を基礎にせず、機能 (=気) を基礎にする医学です。ですから、通じないのは、機能=ハタラキ=気です。古代中国では、機能という言葉がなかったので、それを「気」と表現しました。
東洋医学の「気」って何だろう をご参考に。
ピンときませんね。機能は理解するのが難しい概念です。なぜなら、我々は小学校のころから、物質を基礎とする学問しか勉強していないからです。機能を考える発想力を教育されていません。
話をもどします。何が通じないのか。機能が通じないと説明しました。でも、それでは理解しにくいので、「栄養分を押し動かし、身体各所に送り届ける機能」が通じない、と考えてください。これが「気が通じない」ということです。
生命力としての気のことを正気と言います。これが不通になると痛みが出る…というわけです。
通じなくさせるもの、それは邪気です。邪気とは「気」の流通を邪魔するもののことです。気滞・痰湿・瘀血・邪熱・外邪などが挙げられます。
正気が旺盛で邪気という障害物を乗り越えて通じていれば、痛みは出ません。
邪気という障害物が強固で正気が乗り越えられなければ、不通となって痛みがでます。
正気が通じないと、各組織が非常に困窮する。それで、なんとか通じさせようと、正気が激しく通行しようともがく。しかし邪気の壁は強固である。結果として、正気の通り道が渋滞し、痛みが起こる。正気と邪気との軋轢が痛みです。
痛みを辛抱していると痛みが止まることがありますね。これは正気が邪気を押しのけたときの姿です。正気が正常に通行しようとするから痛みが出る…とも言えるのです。
通り道は経絡
正気の通り道のことを「経絡」と言います。
経絡は臓腑に通じていて、まとめて臓腑経絡と言います。臓腑とは、五臓六腑のことです。腎臓・脾臓・肝臓・肺臓・心臓が五臓です。胆腑・胃腑・小腸腑・大腸腑・膀胱腑・三焦腑が六腑です。
臓腑と経絡は一体です。これは心臓と血管が一体であり、脳と神経が一体であるのと似ています。
多くの痛みを伴う疾患は経絡の不通によっておこるものがほとんどです。
かりに臓腑そのものが不通となり痛むとなると、生死にかかわります。ガン性疼痛などが挙げられるでしょう。浅い経絡の問題が、より深い経絡の問題となり、さらに深く臓腑に入ると危険なのです。
経絡とは何か。これは陰陽論から生まれた概念なので非常に奥が深いですが、今は痛みについて説明できれば十分なので、その範囲にとどめておきます。
経絡は、血管でも神経でもありません。血管や神経はモノ…物質です。東洋医学は、物質的なものを常に度外視して生命を分析しようとします。その切り口が「機能」です。経絡を見つけようとする研究は、過去に繰り返し試みがなされましたが、結局見つかっていません。実体のない「実用」 (機能) を可視化しようとしていたからです。脳は見えるが心は見えないこととよく似ています。
「通じる」ということを詳しく説明すると、非常に深い世界があります。
「経絡って何だろう」をご参考に。
痛みの原因と治療法
通行がうまくいかなくなる原因…それが痛みの原因です。それを以下の1~7にまとめました。
それら問題が、もし、経絡というレベルにとどまらず、臓腑という高次のレベルに波及し、臓腑を戦場として引き起こされるならば、五臓六腑の問題に発展します。体としてはそれは困るので、それを避けるために生体は最初は浅いところで信号を出して、深いところに行かないように仕向けてくれているのです。
これを考えても、痛みは「赤信号」であるというカラクリが良く分かります。
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「不通則痛」となるには、以下の原因が考えられます。これら原因を今の言葉に直すと、すべて「疲労」となります。疲労とは邪気の実、正気の虚のことです。1~5までは邪気の実です。6と7は正気の虚です。
1. 気滞
気が滞った状態を気滞と言います。不通則痛が起こる原因の大原則は、気滞の存在です。気滞が臓腑経絡のラインのどこかに存在すると、正気が動きにくくなります。
気滞の原因で一番多いのはストレスです。メンタルの気滞といえます。
次に運動不足。まれに運動のし過ぎで気滞をおこすものもあります。これらはフィジカルの気滞といえます。
気滞は緊張とも言えます。緊張は、メンタル・フィジカル、両方の緊張です。
純粋に気滞のみの痛みなら、重症度でいえば、比較的軽い段階のものと言えます。
原則①…フィジカルの気滞
●動則痛劇 (運動痛がある) 。
●静臥可減 (自発痛はない) 。夜間は運動痛はあるが自発痛はない。
○動いていると運動痛が徐々に軽快
○じっとしていると運動痛が増大。
○夜間はじっとしていると痛くないが、寝返りがつらい。
原則②…メンタルの気滞
●郁怒(精神的緊張)によって増減
○意識すると悪化、気がまぎれると軽減
○イライラ・焦りで悪化。
- 痛みの部位・・・患部の他覚的冷え。≫気 (衛気・宗気・営気) のめぐりが悪い。無形・遊走痛。腰痛は肋に引くことも 。≫実体がない。
- 痛みの質・・・つっぱる。張る。激痛も。≫緊張による痛み方。
- 緩快要素・・・もむとまし。シャワーでまし。運動して体や気分がほぐれればましになる。
- 増悪要素・・・ストレスで悪化。動くと悪化。
- 痛む時間・・・時に痛み時に止む (時痛) 。≫気滞の邪気が軽減すると痛みが止み、増幅すると痛み出す。時痛は虚証の場合もあり、憂愁思慮すると痛む場合は気虚。正気が弱いため気滞のわすかな増減の影響を受ける。正気が弱くても気滞のわすかな増減の影響を受ける動くと痛い。≫動作時は陽動が盛んで、気滞の壁の手前で正気の渋滞が起こる。
- 日中常に痛むことも。≫動作時と同様、日中は陽動が盛ん。
- 舌・・・薄苔。
- 脈・・・弦。
治療方針・・・気滞を取り去る調整法 (瀉法) を行う。
治療方法・・・百会・合谷・肝兪・後渓・行間など。多くは肝と関連のあるツボを用いる。
その他の特徴
- 督脈上の圧痛。
- 臍周の冷えと緊張。
- 胸悶あり・食欲なし のことも。≫気滞が脾の運化を阻遏する。
2. 痰湿
痰湿とは水 (ここでいう水とは、栄養分を含んだ水分のことです) の滞りのこと。水はサラサラ流れているから水でいられますが、モタモタしだすと粘ったものに変化します。これを痰湿といいます。モタモタする原因は、過剰な水が体内にあるから。つまり、食べ過ぎ・飲み過ぎ+運動不足。これらが痰湿を形成します。
痰湿は、気 (めぐらせる機能) を阻害し、結果として気滞を生じ、不通となり、痛みが起こります。この気滞は、痰湿を除かなければ取れないので、単なる気滞による痛みよりも、しつこくなります。痰湿は水で陰なので、動かない性質があります。だからしつこくなると考えます。
食べ物は、糖分・油脂分に注意です。長い蓄積が痰湿を生みます。
患部は、もちのようなモッチリ感があり、重だるいさを伴う痛みです。痰湿特有の重だるさと、気滞の痛みが合わさったものです。
原則…器質的・物質的な問題がある。ひと塊のもちのようなドテッとしたものが患部にあるとイメージすると分かりやすい。気滞の痛みが機能的であるのに比して、痰湿の痛みは物質的である。
●運動痛…痰湿が邪魔して気が通じない。
●自発痛・夜間痛…痰湿は陰邪なので、陰の状態 (静止時・夜間時) に増強する。
※痰湿はツルツルとどこへでも流れる。流れはするが一か所でつまって遊走はしない。
- 痛みの部位・・・有形の邪 (痛在一処。固定痛・一か所・腰なら一側) 。冷えを伴い、もっちり・弾力。
- 痛みの質・・・鈍重感。ひと固まりで何かをくっ付けたような覆われたような痛み。痺れ・圧迫感 がある。≫圧迫ということは重力がある。
- 緩快要素・・・揉んでもらっている間は楽。ただし揉むのを止めると、すぐに痛み出す。
- 増悪要素・・・運動痛。腰痛は俯仰できない。じっと座っていると悪化。冷えで悪化。湿気で悪化。飲食で悪化。
- 痛む時間・・・夜間・明け方に症状でることも。
- 舌・・・白膩
- 脈・・・沈滑
- その他の特徴・・・太った人に多い。眩暈。頭に膨脹感や布で包んだような感じがあったり、頭重 (とくに前額部) があったりする。全身に重だるさ。白い痰。動悸。空腹感なし。
治療方針・・・痰湿を取り去る調整法 (瀉法) を行う。
治療方法・・・脾兪・胃兪・合谷・列欠・豊隆 ・膈兪・三里・陰陵泉・上巨虚・中脘・梁門・不容など。多くは脾と関連のあるツボを中心に用いる。肺・脾・腎を意識して水をめぐらせる。
3. 邪熱
気滞が強くなると邪熱に変化します。気滞=緊張。緊張が長く続くと熱を生む。これは自然法則です。空気も圧縮すると熱くなります。地球の深部は引力で高圧・高温です。気は陽なので、熱化しやすいとも言えます。気滞の原因はストレスや運動不足でしたね。これが邪熱を生むわけです。
また、痰湿も邪熱のもとになります。痰湿があれば、流通が悪くなるので、結果的に気滞を生じます。その気滞が邪熱に変化し、痰湿と結びつきます。この状態を湿熱と言います。湿熱は邪熱の一形態です。痰湿は食べ過ぎが原因でしたね。これが邪熱を生むわけです。
つまり、邪熱の原因の元は、ストレスや食べ過ぎということです。
のは当然です。おまけに炎症が起こるので痛みは激烈です。炎症があるので、冷やすと気持ちよく感じます。逆に温めると悪化します。揉むと悪化します。
邪熱は、気滞や痰湿がこじれて生じたものであるため、重症度で言えば重いものとなります。
原則①…原因は火のようなものであると考えると分かりやすい。燃え広がるように急に悪化。焼き金を当てられたような激痛。患部が赤く炎症を起こす。
原則②…気滞から邪熱が起こるので、不通となる。そのため慢性化すると気滞から水滞を生み、痰湿が生じ、湿熱となれば邪が有形化する。
- 痛みの部位・・・発赤・熱感・腫脹。
- 痛みの質・・・熱がきつければ激痛。
- 緩快要素・・・冷やすと気持ちいい。
- 増悪要素・・・温めると悪化。
- 痛む時間・・・午後から悪化。夜間悪化。
- 舌・・・舌紅少津。黄苔。
- 脈・・・数
- その他の特徴・・・発病は比較的急。壮熱。煩渇。汗出。便秘。小便短赤。
治療方針・・・邪熱を取り去る調整法 (瀉法) を行い、治療する。
治療方法・・・督脈 (背骨に沿ったライン) 上のツボを用いる。
4. 瘀血
気滞が長期間いすわると、めぐりの悪さが血を凝結させます。血がモタモタした状態を瘀血と言います。ストレスや運動不足は気滞を生み、その結果、瘀血を生み出すというわけです。瘀血が存在すると、その部分の流通は復活しません。瘀血が気滞を生み、気滞がまた瘀血を生むという悪循環に陥ります。
気滞のみの痛みとは異なり、ましな時間帯がなくなってきます。刺すような痛みがあります。動かなくても痛く、動かすと余計に痛くなります。
患部には赤や紫の糸状の血管が見られることがあります。瘀血の一部が皮膚にも現われるのです。
血 (物質) は気 (機能=陽) に対して陰の性質をもっており、痛みが夜中 (陰) に増悪するのが特徴です。これでは疲労が取れず、痛みも治りません。
関節が変形したり、固まって動かなくなるのも瘀血です。
瘀血は、気滞がこじれて生じたものであるため、重症度で言えば重いものとなります。
原則…器質的・物質的な問題がある。なにかイガグリのようなトゲトゲしたものが患部にあるとイメージすると分かりやすい。気滞の痛みが機能的であるのに比して、瘀血の痛みは物質的である。
●運動痛…イガグリが動くので痛みが増す。
●自発痛・夜間痛…物質は陰である。よって陰の要素が深くなると器質的問題が大きくなる。すなわちイガグリが大きくなり、痛みが増す。
○場所が移動せず四六時中続く刺痛。痛みが止まらない。
○じっとしていても痛いが、動かすともっと痛く、さらに動かし続けると一層痛くなる。
○気滞のつっぱった痛みや感情に左右される痛みではない。
○寒湿の重だるく温めるとましになる痛みでもない。
○風湿の悪風発熱自汗もない。
○寒・温での変化がない。
○大便色黒・便秘 (瘀血が腸にはいる) 。
○少腹・爪色・静脈瘤。
○微熱 (瘀血が熱化) 。
- 痛みの部位・・・有形の邪 (固定痛・一か所・腰なら一側) にして拒按である。圧痛が強く、硬結がある。
- 痛みの質・・・刺痛。折れるような痛み (横にはっきりとしたひび割れがあるような痛み) 。
- 緩快要素・・・なし。
- 増悪要素・・・運動痛。運動・俯仰・寝返りできない。不能動揺。
- 痛む時間・・・夜間>昼間。
- 舌・・・紫暗舌。
- 脈・・・弦渋。
治療方針・・・瘀血を取り去る調整法 (瀉法) を行う。
治療方法・・・三陰交・臨泣・血海・膈兪などを用いる。血に関わる特殊なツボである。
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1~4は、互いに関連性があります。
「正気と邪気って何だろう」で詳しくまとめてあります。
5. 外邪
昨日まで暖かかったのに急に寒くなった…。低気圧が近づいてきた…。連日の雨が降り続いている…。こういう外部環境の変化 (外邪) で痛みが起こることがあります。外部環境 (自然気象) は、内部環境 (人体) と密接な繋がりがあります。人間という動物は、他の動植物と等しく自然の一部だからです。
急激な冷えや湿気が気 (循環機能) を阻害し、気滞を生じ、痛みが発生します。冷えも湿気も陰の性質を持ち、陽の性質を持つ気を押さえつけます。
気をめぐらして外邪を取り去る治療、痰湿を取り去って湿気の影響を受けなくする治療などがあります。また、外邪を受ける背景には、6.血虚 や 7.気虚 などの体力の弱りがあることがほとんどで、それらの体力を補う治療も必要です。
6. 血虚
東洋医学でいう「血」とは、栄養分の保管場所です。その場所が狭くなることを血虚といいます。血虚が起こると栄養分が足らず、流れるものが足りなければ通じませんので、不通と同じ状態が起こります。
血虚はなぜ起こるのでしょう。ストレスがひどく、気滞のレベルが強いと、気 (陽) と血 (陰) の平衡関係がくずれ、気を支えていた血が弱ります。気滞による痛みが慢性化し、それが体力を弱らせるほど長期化すると、体力の弱りが痛みの中心になり、血虚による痛みとなります。血虚は気滞を取れにくいものにし、慢性的に痛みがおこります。体力が弱る背景には血のソースである、消化・吸収・栄養作用…これらをまとめて脾と言います…の衰えがあります。
ストレス・運動不足・飲食の不摂生・消化器の弱りなど、複数面から体力を回復させる必要があります。
患部は筋張って潤いがなく、血色がよくありません。
「血」という体力を補う調整法 (補法) を行い、治療します。肝・脾に関連のあるツボを用います。肝兪・脾兪・太衝・三陰交・血海・公孫など。
詳しくは下記をご参考に。
「東洋医学の血って何だろう」
「東洋医学の肝臓って何だろう」
「東洋医学の脾臓って何だろう」
7. 気虚
気 (押し動かす機能) が弱ると、栄養分を身体各所に届ける力が弱くなります。もし、ウィークポイントが体の一部にあれば、特にそこの流通が悪くなり、不通となり、痛みが出ます。
だるく力が入らないような痛みです。患部には張りがなく、しおれた野菜のようなグッタリとした柔らかさがあります。
気が弱ると、全身的な機能低下が出ますので、体がだるく、しゃべるのがおっくうになり、食欲もなくなります。
治療は主に、気のソースである脾・腎を丈夫にすることを主眼とし、同時に気をめぐらす処置を加えます。脾兪・公孫・足三里・腎兪・陰谷・照海など。
詳しくは下記をご参考に。