思いをそっとテーブルに

道具を大切にあつかう。大切なことだ。
道具には使命がある。命があるのだ。

食べ物を大切にあつかう。さらに大切なことだ。
食べ物は生き物である。命をいただくのだ。

大切なものを、大切にあつかう。
命を、大切にあつかう。

捨てるべきは捨て、しまうべきはしまう。
ほんの一瞬をためらってはならない。
いま、片付ける。
後回しにしてはならない。命に対して失礼なのだ。

同じく大切なのは、思いを大切にあつかうことである。
この思い。いま、片付ける。
それを後回しにすると、思いがつのる。
つのりつのって積み重なって。
そして重くなる。

重くなってから、テーブルの上に乗せると…。
叩きつけてしまう。ぶつけてしまう。
ぶつけるつもりじゃなかったのに。
そんなつもりじゃなかったのに。
重すぎて、そっと置けない。
バン! って。
傷つける。

積み重ならないうちに、重くならないうちに。
軽いうちに、片手で持てるうちに。
そっとテーブルに置けばいい。
デーブルを囲んでいるみんなで、
それを分け合えばいい。

誰も嫌がらない。
誰もこばまない。
テーブルを囲む仲間なんだから。

だから、普段からテーブルを片付けよう。
道具の置きっぱなしをやめよう。
食べ物の置きっぱなしをやめよう。

普段から片付けないでいると、
感覚が麻痺してたまっていることに気付けない。
思いがつのっていることにも、気付けなくなる。

捨てるべきものは捨て、
しまうべきものはしまう。

ほんの一瞬。
その一瞬をためらってはならない。
面倒くさがってはならない。
こんなちっぽけなモノと軽く見てはならない。
そこには命があるのだ。

そんなトレーニングを、常日頃から。

きっとできる。思いを。
その場で片付ける。思いを。
そっとテーブルに置く。普段から。
片付けているテーブルなら、みんな気づいてくれる。

大切な思いに。
それは命であることに。

その思いは、みんなに大切な思いだ。

思いをそっとテーブルに。

みんなが囲むテーブルの上に。

 

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