心臓も腎臓も西洋医学的に完治した症例

「先週、医大で心電図とってきたんですけど、どこも悪くないからもう来なくていいって言われました^^」

“医大” とは、奈良県立医科大学付属病院のことである。2022年に安倍元首相が銃撃された事件があったが、その時ヘリコプターで搬送された病院である。奈良市からドクターヘリだから、別に阪大病院でも距離に大差はない。にも関わらず橿原市の医大を選択したということは、一国の元首相が仮に死の転帰をとったとしても、「なんであんな病院に搬送したんだ」と後から批判を受ける可能性がない、「あの病院で亡くなったのなら仕方がないな」と誰もが納得する、そういう病院なのだ。それが当院のすぐそこにある。

この病院に当該患者は、心臓に異常ありとして服薬と通院の指導を受けていたのである。
2025年1月からである。

結果として、服薬を一度もすることなく、2025年12月、通院治療は終了となったのである。つまり当院の鍼治療のみで心臓が西洋医学的に完治したのである。

  • 2024/10/12 帯状疱疹で眞鍼堂初診。
  • 2024/11/11 帯状疱疹の痛み消失、便秘の治療に切り替えて通院を続行。
  • 2025/1/25 特定健診、心臓の再検査を指導される。また腎臓数値eGFRが41.4に悪化。
  • 2025/1/30 医大循環器内科を受診。心電図に異常あり。ビソプロロールフマル2.5 (朝1錠) が処方される。次回4/4受診までに改善が見られなければ、カテーテルで冠動脈を広げる手術が必要だと言われた。心配いらないと説明し指導。
  • 2025/3/24 クリニックで尿タンパク・尿潜血が陽性、医大腎臓内科を紹介される。心配いらないと説明し指導。
  • 2025/4/4 医大・循環器内科を受診、心電図、エコーともに異常なし。
  • 同日 (4/4)  医大・腎臓内科を受診。尿タンパク (−) ・尿潜血 (−) ・エコーも異常なし。
  • 2025/5/23  腎臓数値eGFRcr41.4 → eGFRcys74.1 (正常値60以上) に改善、医大腎臓内科、通院終了
  • 2025/7/1  服薬なしで排便が行えるようになる。
  • 2025/12/  心電図、エコーともに異常なし、医大循環器内科、通院終了

心臓も腎臓も異常なし。この結果をたまたまだと言う人もいるだろう。しかし「戦略・戦術」を知る人なら分かると思う。これは、なるべくしてなったのである。

当該患者にとって、もっとも避けるべきシナリオを順序立てて示す。
動悸・不整脈
→ 日々の活動量が減る
→ ビソプロロールフマル服用
→ 動悸・不整脈がなくなる
→ 日々の活動量が増える (元気になる)
→ 生命力 (ガソリン) がまかなえない活動量 (スピード) となる
→ 腎臓に負担がかかる
→ 人工透析

人工透析という最悪の結果となるには、どこが起点になるか各自ご勘案いただきたい。ハッキリいうと国策に触れることになるので婉曲に失礼したい。

変な元気 (陰のない陽気) は病気を進行させます。体を休めること (陰をチャージすること) が病気を治す土台になります。陰とはガソリン、陽とはスピード。

人工透析となると、1日4時間の透析✕週3回、プラス通院の往復にかかる時間が必要となり、日々の活動量は、動悸によるものとは比較にならないくらいに縮小せざるを得なくなる。そんなことになるくらいなら動悸のほうがマシだと思わないか。
それよりも、今のうちに日々の活動量を無理のない範囲 (生命が求めている範囲) にし、生活習慣を改善しながら生命力の底上げをして、動悸も起こらなくしていけばいい。そしてそれは腎臓への負担を軽減することに直結するのである。心臓は自覚症状が出るが、腎臓は自覚症状がでないという事実を理解しつつ、全体観で対応する方がが賢明ではないか。
薬で生命力が底上げされるわけではない。だとするならば、心臓だけが元気になったとしても、それは「底上げ」ではなく「上っ面」ではないのか。
そんな問いかけをした。一つ一つにうなづき、落ち着いた目に変化していった。そうである。落ち着きを得られる方法がベストチョイスなのである。

心臓を治す薬 (手術) はあるが、腎臓を治す薬 (手術) はない。つまり、腎臓よりも心臓のほうが治しやすいのだ。心臓という「浅い段階」で、「手っ取り早く結果だけを良くする方法」を用いず、「時間はかかっても根本的に治す方法」を選択するよう指導したのである。「根本的に」とは、「生活習慣を改善することによって」という意味である。

心臓と腎臓の2つに大きな問題を抱える当該患者においては、双方を同時に診ることが必要である。科に分けて、自分の科さえ治せればいいなどという考えを持っているようなことで、全体が治せるなどという偶然が起こるだろうか。昔の戦でも、各武将が自分の持ち場だけのことを考えていて、刻々に変化する戦局を乗り切れるのかどうなのか。総大将が必要なのである。科に分けているということは、その総大将がいないということである。今回、腎機能GFRcys74.1という奇跡的回復を得たが、これは心臓を「鍼のみ」で治したからこそ起こったことであると確信する。これは、奇跡を起こした者にしかわからないと思うが。

当該患者の腎臓の記録は下リンクに詳しい。

中期邪気スコア… 腎機能eGFRcr41がeGFRcys74に回復した症例から
短期邪気スコア・長期邪気スコアに続いて、中期邪気スコアなるものを提示する。

悪い検査結果が出る前からの僕の治療で、心臓はいい方向に向かっている。検査は、その「向かっている」断面を切り取って異常ありとしているのである。断面だけを切り取れば現状はダメとなるのだが、これからの趨勢はこのままでいいのである。短期を見るか長期を見るか。それだけで評価は大きく変わる。断面だけでは長期の趨勢は分かるようで分からない。末期ガンの死の宣告期日が完全に外れたのは、それが分からないということをハッキリと証明している。

この旨を、時間をかけて説明した。時間をかけると他の患者さんには迷惑をかける。予約時間どおりに治療が進まなくなる。それを押して、時間をかけて説明した。

そして、1年近くの時を経て「もう安心だから来なくていい」と医大が言ってくれた。患者にとっては大きな安心だっただろう。そして僕も大いに安心した。

医大が言ったのは何か。今という断面である。その事実である。物理的な結果である。もちろんプロセスがあって今があるのだから、プロセスが最も大事だ。しかし「今」という結果が出ることで、安心は完結するのである。だから患者は安心した。

僕が安心したのは? 患者が安心したことに安心したのである。

なぜか。

不安はロクなものを作らない。冠動脈が閉塞してカテーテルを入れなければならないというイメージは、いま胸に高鳴る動悸とともに、当該患者にはとてつもなく不安なものであった。その不安は、その結果をイメージ通りの現実とするに違いない。だから僕は、当該患者が大きな声で医大に言われたことを訴え、明らかにメンタルをやられているこの不安、この不安からまず消す必要があると思った。そのためには、循環器内科の医師以上の力量が必要である事は言うまでもない。

しかしそれは、気休めや現実逃避で不安から逃げることであってはならない。真正面から向き合うのである。その方法が「心臓に対する東洋医学的診察」である。僕が編み出した方法であるが、この20年、心臓が悪い可能性があれば片っ端からその診察を行った。ただこれは、胸部をはだけて診る必要がある。男性は問題ないのだが、女性は嫌がる人もいる。しかも患者さんと言えば90%以上が女性である。そこを面倒くさがらずにやってきた。安全域・異常域・グレーゾーンを患者さんたちの自覚症状と照らし合わせてやってきた。それゆえの自信である。その自信を持って「大丈夫、治療は順調です」と言い切った。

そして、患者さんを助けるためなら、僕は批判にさらされてもいい。もちろん世の中に100%はない。うまくいかないことだってある。また西洋医学にも誤診はある。それはナットクラッカー症候群と名付けられた患者を鍼のみで劇的に完治させた経験からも言えることで、ナットクラッカー症候群は誤診だったのである。たとえば僕の誤診も西洋医学の誤診もいずれにしても、東洋医学に信頼のない西洋医学一択の世の中においては、僕の立場を悪くするものにしかならない。この患者さんに悪く言われても、その家族から悪く言われても、現在通院中の縁故の患者さん達から悪く言われても、それでいい。親とはそういうもの、その親心になりきることを「親身」という。助けることが大切ではないか!

  • この患者さんを救うためには、不安を消さねばならない。
  • 僕には独自の心臓の診察方法があり、それに自信がある。
  • うまくいかなくても、患者さんのためなら僕はどうなったっていい。

だからこんな思い切ったことをやったのである。自分よがりでやってもうまくはいかなかっただろう。

自己を虚しくする。これが僕のいう「戦略・戦術」である。

それにしても医大がやったことは、異常があると言って患者を不安にさせ、1年後に異常がないと言って患者を安心させた。ただそれだけだった。

安心とは…。

この一年間、僕の話で安心し、僕の治療で楽になり、動悸は消え、忘れられていった。医大の結果を聞くよりも前に、安心は得られていた。日々の当院での治療の中で得られていた。でなければ治る事はなかっただろう。

手術も投薬もすることなく、完治した。

いい治療ができた。

その治療とはどんなものか、研究を試みてよい。

心臓ほど情緒の影響を受ける臓器はないということを踏まえつつ。


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