
七草粥の日ですね。AIも “お正月で疲れた胃腸を休める” と言っておりますが、よく学習しております。日本人の誰もが知る、もっとも代表的な薬膳と言えるでしょう。
薬膳の基本とは何でしょうか? 健康を増進するための食事であることです。そのために必要なこととは? まず大切なのは「節度」です。好き放題に食べているならば、節度が無いということです。これが脾を弱らせます。 “飲食不節は脾を傷 (やぶ) る” ということです。
節度とは?
まず時間の節度。間食は慎むべきです。
次に量の節度。食べ過ぎは慎むべきです。腹八分目を心がけます。
この最重要事項を忘れて、この生薬が体に効くたら、あの生薬の帰経はどうたら、そこだけを押すようなインフルエンサーが多いですね。これじゃ、 “これも食べよう、あれも摂取しよう” となり、大切な「量の節度」を見失うことになりかねません。小豆の薬効を強調して、砂糖たっぷりのゼンザイを勧めるなどはその代表です。
栄養学も同じです。「節度」を説かぬままに、栄養摂取のメリットだけを説くと、何も知らない大衆はあれもこれもと食べすぎます。摂りすぎます。
それが “飲食不節” です。脾を傷 (やぶ) る。脾を傷 (やぶ) るとはどういうことか? 脾とは中央です。生命の中央が崩れるということです。よって万病を発します。 “腹八分目に医者いらず” という古言をもっと味わうべきです。強力な風邪予防にもなります。
浮かれ騒いだ正月も明けて、一人裏の畑に出てみれば、霜に隠れたわずかな緑が、少しずつ少しずつ成長している。日本人の知る原風景。その七草を摘み取り、普段よりも少ない米とともに炊き上げ、静かに手を合わせていただく。
そんなつましさと侘しさは、上に昇った気を引き下げ、中央である脾を充実させることでしょう。
たくさん取り込むことが健康なのではありません。脾を思いやり助けることこそ健康なのです。薬膳はそのためのものです。無病息災を祈る七草粥は、それを思い起こさせてくれる代表的な薬膳と言っていいでしょう。


