癘気にエサを与えないでください!

2022年、仕事始めの1月4日の診療で、多くの患者さんに変化があった。顔の気色が全面で沈んでいるのである。調子はどうかと聞くと、「食べ過ぎたけど、まあまあです」というのが多い。

気色がこれだけ沈むのは滅多にない。こういう場合、多くは体調不良を強く訴える。にもかかわらず「まあまあ」とはどういうことか。自覚症状も沈んでしまって、表面上には見えない。見えないのは患者さんの自覚症状だけではなく、ツボの反応もあまり出てこない。食べ過ぎたというので、足三里や不容・期門あたりを気にして診てみるが、反応がない。

それよりもおかしいのが、年末にみんな出ていた章門の血熱の反応がほとんど一斉に消えていることである。この正月休みの間に、何があったんだろう。

血熱は深く、そういう反応は陰気の深い冬に出やすいのではないか…と、年末に分析した。その「深さ」は保ったままで、つまり自覚症状が見えにくいままで、普段よりも明らかに食事量が多いのに、「食べ過ぎてしまった後悔」を感じるほどの症状が出ないのである。

よく探してみると、右太白・右公孫に虚の反応があった。プラス気色の沈みである。じつは重症なのだ。

そして年末に右膈兪がトップとして出ていた反応が、右脾兪に移動している。

これこれこういうわけなので、飲食の養生に気をつけよう。そのように患者さんに説明すると、気色の主要な部分が浮く。右太白・右公孫の反応が消える。右脾兪が消えて右肝兪が反応する。すべて良好な反応である。

深い部分 (水面下) で脾が弱りつつある。脾が弱ると痰湿が生じる。痰湿は臭く、汚く、ネバネバしている。こういうものを、虫は好む。最近、これをエサに大繁殖している虫がいるなあ。癘気 (レイキ) である。これ以上の流行を食い止めるためにも、この虫にエサを与えてはならない。

癘気 (れいき) とは をご参考に。

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました