偶感 (2022.11.25)

ここ一週間ほど、右上巨虚を瀉法するケースが非常に多い。つまり、腸胃の滞りがあり、熱をこもらせているのだ。患者さん全般に見られるということは、多くは気候と関わる。気候はみんなに均等に覆いかぶさるからである。

熱の出どころは肝ではあろう。これだけのストレス社会である。そのストレスがついついの食べ過ぎを生む。肝に出た熱が、腸胃に達するのである。

腸胃に達するということは、腸胃に弱りがあるからである。この時期 (秋分から小雪) は、陽明燥金が支配する。陽明腸胃は今の時期、旺気して強くないといけない。それが弱いのである。これが、癘気レイキ のここ最近の増殖と関係するかもしれない。

「食欲の秋」かに見えるこの空腹感は、潤いを失った心の燥 (かわ) きなのかもしれない。胃は燥をにくむ。乾くからこそ、潤いを生み出す腸胃の力が必要なのである。にもかかわらず、これから宴会シーズンに突入する。生長収蔵の「蔵」の「落ち着き」も、養えないでいるのである。

陽明燥金の次は、太陽寒水 (小雪から大寒) である。外邪 (癘気と寒邪) から身を守る最初の砦に、いまの「弱り」が引き継がれなければいいのだが…。大流行とならないように、先手を打っておきたい。

そのためにも、「食欲の秋」に騙されず、もう一口ほしいところで箸を置く勇気を持ちたい。他人事ではない。僕自身がうっかり騙されているところなのである。

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