冬の乾燥がつらい

【質問】
冬になると目や鼻や肌の乾燥が気になります。東洋医学的にはどのように考えますか?

【回答】
人の体は、気と血で成り立っています。

車で言うなら、気はスピード、血はガソリンです。
人で言うなら、気は元気さで、血は燃料です。

乾燥とは血の不足です。
血 (ガソリン) は液体で、全身を潤す働きもあります。

あくまでも一般論としてですが、展開していきます。

夏場は “暑いからしんどくて動けない” という人が多い。 “皮膚や粘膜が乾燥する” と訴える人は少ないですね。
冬場はその逆、 “寒いからしんどくて動けない” という人は少なく、 “寒くなると乾燥する” と訴える人が多くなります。

夏場は気の病証 (しんどさ) が出やすく、冬場は血の病証 (乾燥) が出やすいのです。

なぜなら…

気は陽です。血は陰です。
夏場は陽です。冬場は陰です。
だからそうなるんですね。

一年を通していえば、気血が両方とも弱いということです。
夏場でいえば気の病証 (しんどさ) が表面化し、血の病証 (乾燥) は奥に隠れている。
冬場でいえば血の病証 (乾燥) が表面化し、気の病証 (しんどさ) は奥に隠れている。

夏はしんどく冬は乾燥する… 気血ともに弱い。
夏は元気だが冬は乾燥する… 血のみが弱い。

冬場、いくら元気だと感じていても、乾燥 (血虚) があるならば、しんどさ (気虚) も水面下にあると思っておいた方がいい。特にこの夏、今冬よりも動けない日が多かった人ならば、なおさらです。ガソリンが減っていても、車は普通に走りますね? 元気に感じていても燃料は減っているかもしれません。

気虚証 をご参考に。
血虚証 をご参考に。

解決方法は、早く床に就くようにすることです。そうした努力を地道に続けていれば、陰が補われ血が補われます。夜は陰であり、横たわることは陰だからです。夜に布団に入って目を閉じて横たわる、これが陰です。

“お肌のシンデレラタイム” という言葉が流行っていますね。すごく説明しやすくなりました。

子 (ね) の刻に寝る。ただのダジャレみたいですがそうではありません。陰を補うならば子の刻には床に就いていることが大切です。子の正刻は午前0時なので、最低でもその時間は布団の中に入っている。この時間が最も陰の深い時間なので、陰が効率よく補えます。

もっと陰を補いたければ、子の初刻は23時なので、23時から1時までの間が書き入れ時です。もっともっと補いたければ、22時〜2時の間、21時から3時の間…、と0時を中心として範囲を広げていくのです。明るくなってから床で休んでいても、眠気は覚めますが陰はほとんど補えません。

以上は1日の話ですが、1年になるとどうでしょう。陰が一番深いのは冬至 (12月21日ごろ) です。子の刻に相当するこの時期 (冬至の前後4週間) が陰の書き入れ時で、早めに床に就くように注意することです。もっと陰を補いたければ、立冬から立春までそのように留意する。もっともっと補いたければ、秋分から春分まで留意する。

昔の旧正月 (春節) は2月ごろ (だいたい立春以降の2月中) でした。そう考えると、正月の夜更かしは、昔はそう矛盾がなかったのですね。今はどうでしょう。

陰が増せば治る病気は星の数ほどあります。それほど現代社会は陽 (熱) に傾いているのです。皮膚の炎症・気管の炎症・関節の炎症・進行性のもの・心の病… みな、ストレス過熱を原因とする病気です。陽に傾くと熱を起こして乾きになります。

陰が補われるということは、血が増す (強くなる) ということです。

血が増せば、燃料が増えるわけですから、夏場の暑さにも負けずによく動けます。夏場の暑さに負けないということは気が充実している証しですし、気の土台は血ですから、気血がしっかりしている姿です。

だから、夏場に体を動かすことができて気が増せば、その分、冬の備蓄である血も増すことになります。冬場に早寝して血が増せば、その分、夏のスタンバイである気も増します。

冬場にパサパサに はしゃぎ、
夏場にグッタリと 力尽きる。

こういう悪循環に陥りやすいのが現代人です。温暖化がそれに拍車をかけています。
なんか不快な乾燥は、ガス欠を起こさないようにするエンプティーランプだったんですね。

夏場ははつらつ。
冬場はしっとり。

これが、気血が充実した姿です。そうありたいと思いませんか?

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