酵素を「ほどよく」摂取しよう!

酵素はタンパク質

酵素とは何でしょう。
酵素とは、タンパク質の一つです。

人体は、10万種類とも言われるタンパク質で構成されています。皮膚のタンパク質、血管のタンパク質、神経のタンパク質、脳の、肺の、腎臓のタンパク質…。これらはそれぞれみな異なるタンパク質です。タンパク質って一つのものではなかったのですね。

人体にすらタンパク質はこんなにあるのに、地球上にタンパク質は一体どれくらいあるのでしょう。鳥のタンパク質、豚のタンパク質、魚のタンパク質…。
酵素ドリンクなど、いわゆる発酵食品の目玉となる酵素も、その中の一つです。

酵素は、二つに大別されます。

  • 体内酵素…消化酵素と代謝酵素に分けられる。
  • 体外酵素…食物酵素のこと。

消化酵素とは

消化酵素とは、中学のときに理科で習いましたね。

でんぷんはアミラーゼなどによってブドウ糖に分解されます。
タンパク質はプロテアーゼ (ペプシン・トリプシンなど) によってアミノ酸に分解されます。
脂質はリパーゼによって脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。

消化酵素とは、アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼなどのことです。

代謝酵素とは

代謝酵素とは、たとえば肝臓の数値でAST (GOT) とかALT (GTP) とかがありますが、これらはトランスアミナーゼと呼ばれる代謝酵素です。肝臓に負担をかけすぎて肝細胞が死ぬと、その死骸から酵素がもれて血中濃度が上がる。だから肝臓の状態がこれでわかるのですね。

代謝酵素はさまざまな組織に存在しますが、多くは肝臓に集中しています。肝臓は、鳥や魚などの他生物を、人体に変える (代謝する) 働きがあります。そのときに使われる酵素が代謝酵素です。

代謝…われわれは、食事によって取り込んだ他生物の栄養 (タンパク質など) と、 呼吸によって取り込んだ酸素から、 ヒトという生物を作り出している。このような、体内で物質を変化させる様々な化学反応のことを代謝と言う。

食物酵素とは

食物酵素とは、食物に含まれる酵素のことです。
消化酵素と同じく、消化を助ける働きがあります。

生野菜・生の果物・味噌・納豆・ぬか漬けなどに含まれます。野菜や果物には乳酸菌などが付着しており、それら菌は酵素を放出します。この酵素によって食物は分解され、栄養分を取り込みやすい状態にします。この栄養分を取り込むことによって菌が増殖することを「発酵」と言います。

食物酵素を多く含む食物

【発酵食品】漬物・味噌・納豆。

【果物】パイナップル・パパイヤ・キウイ・ナシ (プロテアーゼ)
グレープフルーツ・イチゴ・柑橘類 (リパーゼ)
バナナ (アミラーゼ)

【野菜】ダイコン・カブ (アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼ)
ヤマノイモ・キャベツ (アミラーゼ)
タマネギ (プロテアーゼ)
トウモロコシ (リパーゼ)

【さしみ】マグロ・カツオ・サバ・イワシ (プロテアーゼ)

生で食べるのが酵素の効果を得るために一番よい方法である。
パイナップルを食べると口の中が痛くなるのは、酵素が口内組織を溶かしたからである。加熱して酵素が失活したカンヅメのパイナップルでは口が痛くなることはない。

いわゆる酵素ドリンクや発酵食品のたぐいは食物酵素であり、消化酵素と同様の働きをします。健康食品として取り込む理由はそこにあります。体内酵素としての消化酵素 (アミラーゼ・プロテアーゼ・リパーゼ) だけでなく、腸内にはさまざまな菌が存在しており、それぞれが酵素 (食物酵素) を放出して、消化吸収を助けてくれています。腸内菌は生命存続のために不可欠なのです。

代謝酵素も増える?

ただし、酵素療法を推奨する方々は、さらに大きな効果を見込んでおられます。

代謝酵素です。

“酵素には、消化や代謝を助ける働きがある” という謳い文句の根拠は、この代謝酵素にあると考えられます。

食物酵素をたくさん摂れば摂るほど、消化酵素が必要なくなる。消化酵素をを作る必要がなくなると、それを作る代わりに代謝酵素をたくさん作ることができる…というのです。

酵素を摂れば消化を助けるというのは事実です。食物酵素は消化酵素と同じ成分だからです。
しかし、酵素を摂れば代謝を助けるというのは…。

矛盾点を指摘しましょう。

代謝酵素は肝臓が作る

まず、肝臓という臓器は、食べ物から人体を作る工場です。人体の元になるアミノ酸をつくり、またそれを結合させて各種タンパク質を生成します。代謝酵素もそれらタンパク質の中の一つで、肝臓が作り出しているのです。

つまり、代謝酵素をたくさん作れるかどうかは、肝臓が元気かどうかにかかっているのです。肝臓が元気であれば消化酵素や代謝酵素のもとになるアミノ酸 (人体の) を、ともにたくさん作ってくれることでしょう。それどころか、脳も心臓も腕も脚も、できの良いものを作ってくれるはずです。

消化酵素をつくる必要がなくなったら代謝酵素がたくさんできるとは本当なのでしょうか。たとえば腕を切断してしまって腕のタンパク質を作る必要がなくなったら、その分、脳や心臓や脚などのタンパク質がたくさん作られ、頭が良くなり心臓が強くなるのではないかという論と同じではないでしょうか。

食物酵素はタンパク質でしかない

酵素はタンパク質です。なのでもちろん、食物酵素自身もアミノ酸に分解され吸収されます。ただし、食物酵素のアミノ酸は菌由来のものであり、そのままでは人体の一部にはなれないし、まして代謝酵素にもなれません。

アミノ酸は門脈を通り、肝臓に運ばれてここでさらに原子レベルにまで分解されます。

原子レベルに分解されたあと、人体を構成する20種類のアミノ酸 (ヒト固有のもの) に再合成されます。つまり、菌の酵素 (タンパク質) は消えてなくなり、人体のタンパク質に変化するのです。

だから、たとえばサメのコラーゲンをたくさん取ったら肌がプルプルになるというのはおかしな話です。サメのコラーゲンもタンパク質です。分解されたら次はヒトのコラーゲンになるなんて保証がどこにあるでしょう。そのタンパク質は筋肉になるかもしれないし、血管になるかもしれない。コラーゲンをたくさん食べていたらコラーゲンが増えるのなら、手羽先をたくさん食べていたら背中に羽根が生えてくるでしょう。

コラーゲンが足りないのなら、コラーゲンを合成する肝臓に目を向けるべきです。

代謝酵素が足りないのなら、代謝酵素を合成する肝臓に目を向けるべきです。

なんでも適度に食べれば、肝臓は喜びます。結果として代謝が盛んになります (代謝酵素がたくさん作られる) 。それは食物酵素も同じことです。

それで肝臓は元気になるのか?

よって、酵素というタンパク質を摂れば摂るほど健康になれるというのも、勉強不足と切り捨てさせてもらいましょう。NAFLD (非アルコール性脂肪肝) やNASH (非アルコール性脂肪性肝炎) という概念をご存知でしょうか。簡単に言うと、飲み過ぎによる肝機能障害ではなく、食べ過ぎの肝機能障害です。

食べ過ぎのうち、つまり糖質・タンパク質・脂質の摂りすぎのうち、何が肝臓にとって一番負担になるか考えたことがあるでしょうか。その前に、タンパク質 (アミノ酸) が人体に代謝 (再合成による変化) されるときに、猛毒アンモニアを生成し、それを肝臓がノーミスで尿素に解毒 (減毒) しているという事実をご存知でしょうか。

アンモニアは血中にわずか0.005%混入しただけで致死量となる猛毒です。アンモニア脳症と言われ、ガンや肝硬変で亡くなる場合によく見られます。
尿素も毒性が知られていますが、こちらは血中に4%に達しても害がありません。尿毒症は尿素がそれ以上になった場合に見られる病態です。

アンモニアのような恐ろしい猛毒が、酵素をはじめとしたタンパク質を吸収し代謝するたびに作られるという事実はあまりにも知られていません。そしてそれを肝臓が水際で解毒してくれている事実も…。たんばく質とは、人体をつくるために必須でありながら、人体を作っている肝臓にとって解毒をミスできない、もっとも緊張を強いられる両刃の剣であることを知るべきです。

酵素愛好家が口を揃えて言うのが、代謝酵素の重要性です。もちろん、代謝酵素がたくさん作られて十分に働けば、いきいきした人体になることは請け合いです。代謝酵素の活性とは、肝臓のイキイキさと一致します。人体の生みの母である肝臓がイキイキしていれば、イキイキした人体になる。当たり前のこの論に、疑いをはさむ余地はありません。

つまり、本当に代謝酵素の重要性がわかっているのなら、代謝酵素を作っている肝臓のことを大切に考える。それが本筋ではないでしょうか。肝臓がヘトヘトになっていれば、代謝酵素を満足に作ることができない、つまり人体を満足に作ることができません。というよりも、あなたが満足な健康状態でない事自体、肝臓が満足に食べ物から人体を代謝できていないからなのではないでしょうか。

酵素が体に良いのは紛れもない事実です。だからといって、摂れば摂るほど良いと考える。

「代謝」する肝臓の身になって考えたことがあるでしょうか。
無限に仕事をさせられる肝臓の気持ちを考えたことがあるでしょうか。

加熱は悪か?

また、酵素愛好家に見られる特徴として、加熱を悪とする意識があることも特記すべきでしょう。たしかに、乳酸菌も酵素も60℃前後で死滅・失活します。だからできるだけ生で飲食したほうがよいという考えが生まれます。

しかし、生食による冷えがどれだけ健康を害しているかは考えようともしていません。僕は中医臨床の中で、常温のままで飲食すると肺 (表) を傷 (やぶ) り寒邪の侵襲をうけてしまうことをよく知っています。常温飲食は、東洋医学の原典といわれる《黄帝内経》《難経》《傷寒論》すべてで禁忌とされていることを再認識すべきでしょう。

形寒寒飮.則傷肺.《黄帝内経・霊枢・邪氣藏府病形 04》
形寒飮冷.則傷肺.《難経・四十九難》
禁生冷.《傷寒論・桂枝湯12》

そして、僕の臨床でも冷たい飲食 (常温飲食物) を控える指導を行っており、簡易に温めるため電子レンジの使用も奨励しています。その結果として、奇跡とも言える治療効果を上げている事実があります。

乾癬の症例
20年来の乾癬、プレドニンを10mg服用し続ける状態で来院され、鍼灸治療期間は3ヶ月弱である。経過中にプレドニンを5mgまで減らしたが、悪化することなく略治となった。黒ずんで見えるのはメラニンである。
むくみ… 指定難病222;ネフローゼ症候群の症例
ネフローゼ症候群 (指定難病222) とは、腎臓の炎症による蛋白尿・むくみを主症状とし、人工透析にいたるリスクがある腎臓の病気である。症例として、尿蛋白4.52g/日が0.78g/日に下降したものを挙げつつ、東洋医学的な「表証」との関係について考察する。
全身麻痺 (痿病) の症例
中医学での表証は、あらゆる奇病と関連する可能性を持つ。本症例は急性の痿病であり、全く筋肉が動かせない状態が全身に及んでいたが、表証を撮ることによって速やかに回復した。表証とは何かを考えつつ症例を検討したい。
認知症予備軍 (軽度認知障害;MCI) の症例… 素直に信じるという奇跡
軽度認知障害 (MCI) の症例である。中医学的に診察し、百会穴に鍼を用いて施術を行ったところ、2週間で改善を見た症例を検討する。

統計的・経験的な集積に基づく中医学では、生ものや果物といった常温飲食物だけでなく、発酵食品の過剰摂取をも、はっきりと禁じています。水飲 (水湿痰飲=痰湿) や積聚 (ガンなどの腫瘤) という邪気を形成すると説かれています。

多食生冷寒凉,可损伤脾胃阳气,寒湿内生,<中医基础理论

过嗜酵酿之晶,则导致水饮积聚;过嗜瓜果乳酥,则水湿内生,<中医基础理论
・酵酿…発酵食品 
・瓜果…ウリ類・果物類

愛好家の一例

こんなことがありました。左肩が痛いと近所の方が飛び入りで来院されたのです。混雑中で予定も詰まっていたので明日にお願いしましたが、痛くてたまらないから今から診てほしいと強く訴えられたので、急きょ予定を繰り合わせてその日の午後1時から診させていただきました。

腕を首より上に挙げていないと痛くて降ろせません。見ると天突に反応があります。これは、寒邪によって体が取り囲まれ、中に激しい邪熱がとじこめられている状態です。まず、取り囲んでいる寒邪を取る必要がある、そのためには冷たい飲食を禁じなければならない。ところがこの方は10年来の酵素ドリンク愛好家で、刺し身を2日に1回食し、野菜も果物もできるだけ生で食べるという、酵素を意識した生活をしている方でした。結果として冷たいものばかり飲食することになり、だから寒邪にやられてこんな状態になったということがありありと見て取れるのです。

酵素ドリンクとは、果物と砂糖で作る発酵食品です。

「いつから痛いんですか?」
「10日ほど前からです。」
「原因として何か思い当たることは?」
「特に無いんです…。」
「急に痛くなったでしょ? 」
「そうなんです! 急にあれっ? てなってそれから、ずっとなんです。」
「だんだん痛くなってきていますか? 」
「はい、だんだん痛くなってきて、3日程前も体を動かさなきゃと思ってワラビを取りに行ったら…」
「もっと痛くなったでしょ?」
「そうなんです、もう痛くて痛くて眠れないんです。」
「急に痛くなるのも、体を動かしたらひどくなるのも、寒邪 (表寒) の特徴です。カゼも寒邪なんですよ。カゼも急に引くし、体を動かしたらひどくなりますね。」
「そうなんですか。」
「寒邪に取り囲まれているので、何でも温めて飲食してくださいね。たとえばノドが乾いたら何を飲みますか? 」
「酵素ドリンクです。キウイなどで作っています。ノドが乾いたら飲むようにしています。」
「できるだけ食事時に飲むようにしてください。でないと間食 (夜間呼び出し出勤) になってしまいます。」

間食は脾の器を小さくするので、結果として痰湿が溢れる。痰湿は掃除 (解毒) の対象なので、生命力が掃除に奪われてしまう。結果として寒邪を撃退できなくなる。
※脾は気血生化の源=西洋医学の肝臓

「食事時しか飲んでません。」
「さっき、いつでも飲むみたいにおっしゃいましたね?」
「いつもは喉が渇いたらミネラルウォーターや炭酸水を飲みます。」
「そうですか。とにかく温めてください。炭酸水は温められないので、お白湯にするといいです。
「分かりました。」
「でも酵素ドリンクは温めないでしょ? 」
「酵素は温めたら意味がない。」
「温かくする必要があるのでね、酵素はそこまで体に良いものだとは思わないでくださいね。」
「それを言われちゃ困る。」
「酵素は体に必要ですが、摂りすぎてはダメです。摂れば摂るほど体に良いというものではないということを知っておいてください。過ぎたるは及ばざるが如し、ですよ。」
「あなたに酵素の何がわかるんですか。」
「僕はね、この痛みを取ってくれと頼まれている。で、そのために必要な話をしています。真剣なんですよ。真剣だからこそ、今日は無理に初診枠を開けて診させていただいているんですね。」
「僕だって真剣ですよ。こんなに痛いんですから。」
「いまの〇〇さんのお体はね、飲食物は温かくする必要がある。それをわかってほしいんです。」
「わかってますよ。」
「さっき、酵素は温めたら意味がないとおっしゃったでしょ?」
「言ってません。いいから先に話を進めてください。」
「そんなに酵素が体に良いなら、鍼なんかで治そうとしないで酵素で治さはったらどうですか? 」
「それとこれとは別だ。もういいから話を進めてください。」
「いや、進められないですよ。〇〇さん、怒っておられるでしょ? こんな状態で治療なんかできません。」
「こっちは痛いんですよ! もうこんな話聞いていられない! もういいですわ。 (作りかけのカルテを指して) こんなものは破って捨ててください。」

そのまま会計素通りで退出されました。

僕の臨床では、 “温かいものを飲食してください” と指導して患者さんが納得されると、その場で症状がマシになることがあります。今回も、左手を挙げたままであまりにも気の毒なので、とりあえず降ろせるくらいには良くなるだろうという見込みをもって、まず、冷たい飲食を避けるように指導しました。しかし、聞く耳を持たなければ手も足も出ません。

こだわりと執着

実はこの患者さん (79歳男性) 、院の近所の方で、しょっちゅう庭仕事をしていた元気な方でした。温厚なお人柄で、以前に飼い犬を週に2回、半年ほど診させていただいたことがあり、老犬で死期間近でしたが、安らかな最期となり非常に喜んでくださっていました。それ以来、顔を合わせれば世間話をするほどの仲でした。

それが、僕のたった一言でこの豹変。

初診はマンツーマンで3時間。ぼくが28年間貫いてきたスタイルです。ここに「真心」を感じる人と感じない人がいます。病気になるのは今までの何かが間違っていたからです。それを正すのは並大抵のことではない。その並大抵ではないことを押し開くのは、最終的には真心しかないと思っています。

その健康法に徹して体が健康であるならば、心も健康であるはずです。真心からする人の話を最後まで聞けないのは、その健康法ではそこにたどり着けていないことを、自ら露わにするものです。これが「こだわり」の行き着く恐ろしい姿であることを知るべきです。酵素だけではありません。健康に関して様々な「こだわり」「思い込み」が、その人のあるべき成長を押さえつけています。

「こだわり」は自傷行為
時・所・位置づけによって、間違いが正解になったり、正解が間違いになったりする。それが真理です。人間として認識する世の中に、絶対というものはないのですね。その真理にそぐわないものが「こだわり」です。陰陽論は、それを明確に教えてくれます。

人に迷惑をかけようが、体を傷つけ悪くしようが、自分の考えを押し通す。これが執着です。

執着とは… 一ばんめは「この体」
一ばん大切なものが何かを忘れて、 二ばんめの、どうでもいいものを大切にする。 これが執着である。

酵素が悪いのではありません。酵素は正しい。だが、「酵素のみが正しい」とする考え方が間違っているのです。「〇〇のみ」が正しい。この考え方は、天地自然の理法に反します。身悶えする激痛に顔を歪める今こそ、自分の何かが間違っていたのではないか? という内省の心が必要です。心を真っ白なキャバスに戻す。こだわりや執着を除去するには、この体を健康に戻すには、それしかありません。

真っ白な心のキャンパスとは、精 (根源) です。この患者さんのように、痛みで腕が降ろせないというのは、精 (胎児の丸まった状態) に戻れなくなったことを意味します。天地自然の懐に戻れなくなったのです。精を失うとは根源を失うことです。だから、全く落ち着きがありません。

食物酵素は消化剤

おそらく、ここまで熱烈な信者になるということは、酵素ドリンクで体調が良くなったことがあるからでしょう。もちろん、酵素は体にいいのですから当たり前です。それまでぬか漬けなどを食べない生活を続けていたのなら、酵素ドリンクで体調が良くなることは十分に考えられます。実際、ぼくも酵素製品を中学生〜20歳くらいまで信じて愛用していました。いまから40年前 (1980年ごろ) に僕はすでに酵素を試していたのです。少々食べすぎても酵素を飲めばスッキリする感覚がありました。

つまり消化酵素です。ひらたくいえば消化剤ですね。食べすぎに効くのは当たり前のことです。よって、消化剤を飲むことを前提に食べると、食べ過ぎる場合があります。食べ過ぎは肝臓の負担になります。よって、肝臓への負担を助長するような使い方になりかねません。肝臓が弱れば、肝臓に存在する代謝酵素も弱ります。

口にするものは、すべて肝臓の仕事になるのです。その量によって、肝臓は楽々と仕事をこなす場合と、肝臓が身悶えして苦しむ場合とがあるのです。

酵素ドリンクだけでなく、どんなサプリでも大量投与すれば効くという事実があります。ただし、それが肝臓にとって持続可能かどうかは慎重に吟味する必要があります。たとえば勉強嫌いな子供がいて、一室に閉じ込めて家庭教師を付けて、詰め込み式をやれば成績は「その時は」上がります。しかしそれがその子にとって持続可能なのかどうか。今回、肩の激痛と激怒に至った患者さんは、それがその患者さんにとって持続可能ではなかったということです。

だから肝臓は、「肩 (痛み) 」と「脳 (精神状態) 」をうまく代謝できなかったのです。

まとめ

酵素は体に良い。これを否定しません。僕自身もぬか漬けを手間ひまかけて作っている一人であり、日本の伝統食として、外部から積極的に摂取する必要があると考えています。

断食 (ファスティング) と酵素… 自然って何だろう
東洋医学的に見て、断食が効く人は脾が強く、正気が充実している人です。 断食で悪化を起こす人は脾が弱く、正気が虚している人です。 こういう診断をせず、あの人が効いたならオレにも効くだろう…が、一番やってはいけないことです。

ただし、そんなぬか漬けでも、丼鉢に一杯も食べれば、それは食べ過ぎであることが分かるでしょう。食べ過ぎは肝臓を苦しめる。肝臓が苦しめば代謝酵素が作れなくなる。生命の活性化とは逆方向となる。

ぬか漬けなら食べ過ぎと分かる、しかし…。

味わって、美味しい。それは肝臓が “どんどん来いよ!” と言っている証拠です。
味わって、あきた。それは肝臓が “もうやめてくれ…” と言っている証拠かもしれません。

“どんどん来いよ!” に関して一言。
砂糖の甘みと、揚げ物などの油脂分は例外です。これはマウス実験でも明らかになってます。美味しいからと言っていくらでも食べていると、脂肪肝になる危険があります。酵素ドリンクは砂糖が入っていて口当たりがいいので気を付けなければなりません。

粉末やジュースでグッとやる、味わいもせずに…。

それが肝臓のキャパを超えているかいないかを考えもせずにやる人は、肝臓がどんな気持ちで猛毒アンモニアの解毒を行っているかなど、考えたこともないのでしょう。

なんでも程度モンです。

過ぎたるは及ばざるが如し。
中庸をもって尊しとなす。

思い込みが激しい人は、まわりが見えなくなります。バランスが取れず、どれか一つに偏ります。バランス感覚を失って健康を失う人は多く、それを救う道のりは果てしなく遠い。

だからこそ、できるだけのことをやる。今の僕にできることは、酵素の摂取の必要性について、また過剰摂取によって起こる結末について、事実に沿って分かりやすく書くことであると確信します。

われわれは、命ある食物から栄養をいただき体に変えています。
口にするものはすべて体に良いものばかりで、酵素もその一つです。

だからといって、欲張り爺さんみたいにガツガツやると、その結末は昔話にある通りです。

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