松葉 (中医学・中薬学)

薬名:松葉 (しょうよう)

帰経:心経・脾経。 “入心、脾二经” 《本草再新》

性味:苦温  “味苦、温” 《別録》

功能主治:祛風燥湿・活血安神。

  • 風湿痿痹… 祛風燥湿
  • 湿瘡・癬・風疹瘙癢… 祛風燥湿
  • 跌打損傷・神経衰弱・失眠… 安神
  • 慢性腎炎・浮腫… 燥湿
  • 高血圧… 祛風
  • 流脳 (髄膜炎) ・流感 (インフルエンザ) の予防… 祛風


内服:乾燥させ煎じて温服する。あるいは鮮品を煎じる。酒に浸けてもよい。
外用:場合は鮮品をすりつぶして患部に塗布する。あるいは冷ました煮出汁で洗う。

解説

松葉は苦温です。

燥湿

まず、燥湿です。苦温燥湿なので、痰湿を除くことができます。

脱水状態なのに水が飲めない (飲もうとすると気持ち悪い) 場合、多くは胃にドロドロの水湿痰飲があります。そういう時、松のお茶ならノドが通ることがあります。さわやかでスンナリとノドを流れます。水湿痰飲を除きながら、水分を摂ることができるのですね。

非常に干ばつに強い樹木で、だから岩場でもよく育ちます。乾燥に強いということは水を取り込む力が強いということで、そういう意味でも、水がノドを通らないときに優れた飲み物だと思います。

祛風・安神

次に、祛風・安神作用があります。

一年中葉の色が変わらず、岩だらけの断崖絶壁でも深く根を刺して毅然 (きぜん) と屹立 (きつりつ) する姿は、「常盤 (ときわ) の松」と言われるように「一定」の象徴でもあります。

躁状態 (アッパー) ではしゃいだり、鬱状態 (ダウナー) で落ち込んだり、波が上下するからしんどいのですね。

一定が一番燃費がよい。心の波風 (内風) に乗じて外風はチョッカイを出してきます。カゼなどを引きやすくなるのですね。落ち着かず、興奮するとカゼを引く。松葉をいただいて気持ちが落ち着けば、カゼ予防になる。

香りでも非常に落ち着きが得られ、これが心に帰経する部分でしょう。アロマとしても安神 (安心) 作用が得られます。心の波風を鎮めるのです。

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