五臓六腑の5と6、経絡の12、経穴の365の謎に迫る

東洋医学にはさまざまな「数字の謎」があります。

その代表が五臓六腑でしょう。5とは? 6とは? ここには言いしれぬ哲学が隠されています。

古代中国人は、どのようにして5と6という数字に行き着いたのでしょうか。

それにはまず、古代中国の文化を踏まえる必要があります。それは農耕文化です。命を養う農耕は、おのずと命を治す医学へと反映されたと考えられます。

農耕で最も大切なのは暦 (こよみ) です。よって古人は日輪と月輪をよく観察しました。365日のうち、何月何日に種まきをすればいいか、収穫はいつごろなのか、月日を記録し農耕を発展させました。そのなかで古人は、大自然に法則があることを悟って行きます。

それが十干 (天干) ・十二支 (地支) です。日本語では干支 (えと) といいますね。
十干… 甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
十二支… 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥

やがてそれは「五運六気」としてまとめられます。五運とは木火土金水の生長化収蔵 (発芽・成長・転化・結実・封蔵) のことです。六気とは風寒熱湿燥火の気候のことです。

その自然の法則が、人体にも通じることを経験して行きます。

それが「五臓六腑」「十二経絡」「365穴」という考え方に反映されて行きます。これらの本当の意味 (哲学) を学ぶには、天干地支にまでさかのぼる必要があるのです。

…作甲乙以名日,謂之幹 (干) ,作子丑以名月,謂之枝 (支) 。有事於天則用日,有事於地則用月。陰陽之別,故有枝幹名也。
《五行大義・第一釋名》

【訳】甲乙 (十干) を作って日輪周期に名を付け「幹」とした。子丑 (十二支) を作って月輪周期に名をつけ「枝」とした。天の法則には日輪を用い、地の法則には月輪を用いた。干 (幹) と支 (枝) は陰陽関係であり、よって「干支」と名付けた。

以下の論述は、上記の《五行大義》を根拠にしつつ、私見を交えたものです。

▶天の法則と地の法則

先出の《五行大義》に “天則” “地則” という言葉があります。

天則すなわち「天の法則」は、宇宙側の法則です。
地則すなわち「地の法則」は、人間側の法則です。地における人の営みです。

「天の法則」は絶対的な規律です。これを人間が扱いやすいようにしたものが「地の法則」です。古人はこのような客観的分析をすでに行っていたと思われます。

地の法則には、いくらかの誤差が生じます。

たとえば、1年365日は、正確にはおよそ365.24日です。
陰暦※での1ヶ月30日は、正確には平均で29.53日です。
※本ページでの「陰暦」は太陰太陽暦を指す。以下これにならう。

だいたい何日とか何時とかいう概念そのものが、地球や月がぐるぐる回ることに合わせて、人間が勝手に作った時間区分に過ぎません。天の法則は、こういうものを超越して、驚異的な正確さで営まれているのです。たとえば次の皆既日食やハレー彗星の接近がいつ来るのか正確に予想できるなどがそれです。

天の法則の象徴として注目したのが 1 (日) と365 (日) の日輪周期だったのでしょう。これは人が実感しうる最も高次の絶対規律です。
地の法則の象徴として注目したのが30 (日) と12 (ヶ月) の月輪周期だったのでしょう。暦のもとになるもので、人にとって便利です。ただし、30日サイクルに従うと1年は360日で、計算上5日 (実際は11日) の誤差がでます。

日輪周期は天干 (十干) として発展し、月輪周期は地支 (十二支) として発展したと推測します。これは先出の《五行大義》からも伺えます。

▶1日 (1年) と1ヶ月

天の法則 (日輪周期) には1日と1年 (365日) という基準があります。朝昼夕夜、春夏秋冬という波 (山と谷) の周期には分かりやすい法則性があります。これが絶対的な基準になります。分かりやすい周期は陽です

地の法則 (月輪周期) には1ヶ月 (30日、12ヶ月) という基準があります。1ヶ月に波の周期は見当たりません。分かりづらい周期は陰です。分かりづらいが「人間にとって」は便利です。分かりづらさについては、月と体…《素問》にみる月輪と女性生理をご参考に。

天をみて地を察する。地をみて天を察する。
陽をみて陰を察する。陰をみて陽を察する。

古代中国人はこれを重視します。

月輪 (陰) をみて何日か (陽) を知る。日輪 (陽) をみて何月か (陰) を知る。

▶「360」は地の法則

月輪がもととなる30と12、この2つの数字の基底になるのは6 (最大公約数) と60 (最小公倍数) です。古代中国人は、まず月輪と6 (60) に注目したのでしょう。「6」は月輪 (陰) にかかわるコアであり、60秒・60分・60日 (1気/六気)・60年 (干支) というスパンに共通するのは、「1ヶ月」と同じように「分かりづらい周期」であるということです。

ただし、人間にとってはすごく便利な周期ですね。これが地の法則です。

月齢周期 (30日) による1年は、計算上360日です。360÷6=60、6で割ると6 (60) が出てきます。
より正確には30日ではなく約29.5日ですので、354日程度となり、354÷6=59です。6で割るといきなり素数 (59) が出てきます。354も6が基底となる数字です。

360 (30✕12) から発想した。これが六気の「6」の一側面であると思います。

▶「360+5」は天の法則

360 (地の法則) に5を加えると365 (天の法則) である日輪周期になります。5を加えると絶対法則に、5を引くとそうではなくなる。「5」の有無です。

また365÷5=73です。5で割るといきなり素数 (73) が出てくる。365は、「5」と73でしか割りきれない、5を基底とした数字です。

365 (天地自然の絶対法則) − 360 (人間側の法則)

その答えである「5」は、✕73で365を作り出す。

五運の「5」の一側面であると思います。

後で詳しく説明します。

▶十は「一まとめ」の象徴

▶十は「合」の象徴

また、30 (日) が12 (ヶ月) あったように、
   365 (日) が 1 (年) です。

「1」すなわち「一」の意味を考えます。
古代中国文化は十進法です。10は「十」、すなわち
・数える際の十個目のものです。
・十個を一つにしたものです。✕10でもあります。「一十」は「1✕10」、「二十」は「2✕10」、「三十」は「3✕10」ですね。「十個を合わせて一まとめにしたもの」が一個あれば十、二個あれば二十、三個あれば三十です。「十個を合わせて」の「合」は「拾 (じゅう) 」と同義になります。

つまり十には、散らばった様々な要素をグループ化し、一つに合わせまとめる… という意味があるのです。
365進法と考えると分りやすいでしょうか。365であれ、一つにまとめたものは「十」が象徴します。

以十干合,而為木火土金水之五運,《運氣易覽》

【訳】十干をもって「合」となし、木火土金水の五運となす。

十干の「十」は、散らばった様々な要素 (365の要素) を、天が定めた基幹 (幹は干と同義) のもとに、「1」つ (1年) にまとめるという意味の「象徴」なのではないでしょうか。10という数にこだわる必要はない。

これが十干の「10」の発想の一側面であると思います。

陰陽者.數之可十.推之可百.數之可千.推之可萬.萬之大.不可勝數.然其要一也.
《陰陽離合論06》

【訳】陰陽は、十になり百になり千になり万になる。万より大きい数はとりたてて数えることもないだろう。詮 (せん) ずれば要するに一である。

一本の幹にまとめたものが「十」です。「十」の結果が「一」です。

▶十は「四方・中央」の象徴

また、十は四方を中央でまとめる意味があります。

數之具也。一為東西,丨為南北,則四方中央備矣。《説文解字》

【訳】数の一そろえである。一は東西をあらわし,丨は南北をあらわす。四方と中央が備わっている。

十は四方 (東西南北) を意味します。

四方を究極まで縮小すると、中央になります。

これも「拾」「合」と同じく、四方に散らばったものを一つにまとめるというイメージに通じます。これが、「十」というデザインと重なります。

四方+中央で、五になります。これが五行の「五」に通じます。

10÷2という発想よりも深い哲学があります。

▶五は「一つの輪」の象徴

よって、「十」 (合わせて一つにする) を「五」という数で表現した。それが五行ではないかと思います。

実際、五には2つの要素 (天と地) が1つになるという意味があります。

図「五」の古字

上と下に「一」があり、真ん中に「Ⅹ」があります。上の「一」は天を、下の「一」は地を意味します。「Ⅹ」は上下2つが交差・交流し、1つになることを意味します。陰陽が渾然一体として交わる。太極図の意義と同じです。

そうした「五」の裏には、「十」つまり一本の「幹 (干) 」に集約するという意味が込められているのです。「✕」と「十」、デザインもよく似ています。

これはまさに五臓の「蔵する」働きです。
木火土金水の五行は「一つ」の輪です。

▶十二は「対」の象徴

冒頭の《五行大義》に従い、十干と十二支を陰陽関係で考えます。

以十二支対,而為風寒暑湿燥火之六気。《運氣易覽》

【訳】十二支をもって「対」となし、風寒暑湿燥火の六気となす。
※対は對であり、薱と同義である。薱とは草木が茂盛する様子を示す。よって「十二」は、枝が対 (二股) に分かれ、それがまた対にわかれ、かくして無数に分かれ増える意味を持つ。

十二支の12は、一つのもの (1年) を12 (ヶ月) に分ける、つまり「多数に分ける」という意味が隠れています。

《運氣易覽》に「対」とあるように、まず一対 (陰陽) に分けて2つになる。その陰をまた一対の陰陽に、その陽をまた一対の陰陽に、つまり4つになる。このように枝分かれして多数に別れる…その様相の象徴が「十二」なのでしょう。「十」 (1つにまとまったもの) が「二」 (2つに別れたもの) になるイメージです。先出の《陰陽離合論06》にも通じますね。

「十二」

これはまさしく多くの食材を口にいれ胃袋で「一つにまとめ」、その栄養分を吸収して各組織に「分配」する六腑の働きです。また、十二経絡は臓腑の脈気を皮毛や四肢末端に「拡充」する役割がありますが、十二経絡の「十二」はここから来たと思われます。

十二月應十二脉.《素問・陰陽別論07》

▶六は「生命」の象徴

「六」について字源をたどります。もちろん定説はなく、以下に示すものは一説に過ぎません。

六の異字体は「陸」です。大字 (一を壱と書くのが大字) に用いられます。六は陸に通じるのです。
陸の元の形は「坴」です。
坴は土の塊のことです。陸は高く平らで大きな土の塊です。
坴は「圥+土」です。
圥はキノコです。また「屮+六 (図参考) 」です。屮は「艸・艹」で草を表します。

圥=屮+六

要約します。

「六」は、ウネのような「高く平らな土の塊」から「キノコ」のようにニョキッと出てきた植物のことです。
指を折って数を数える時、五でいったん終了します。そこから改めて一本の指をニョキッと出します。

「六」の字源

畑のウネに種を播き、モコッと土が膨らみひび割れて、そこから丸いキノコのような芽が出てくる。発芽する瞬間は、葉がいきなり出るわけではなく、「∩」のような曲がった形、茎からニョキッと飛び出してきます。白くて丸い。これが圥 (キノコ) です。

命が生まれる時は、「一」つが「二」つに分かれます。母体と赤ちゃんが分かれる。土と芽が別れる。土・命・分という意味を強くはらんだ文字が「六」であると考えられます。「十二」とよく似た意義が汲み取れます。

また、「熱」という字に「坴」がふくまれることに気づくでしょうか。熱の意味のコアは「六」です。ここに三焦という「+1」 (あたたかい命) が付加されるのです。熱と火の字源 をご参考に。

▶ツボは「365」個ある

いずれにしても、 “何個あるか” ということのみにこだわらず、その数字の意味するところをも探求することが大切だと思います。

《素問・氣穴論58》《素問・氣府論》には経穴は全部で365個あると記されていますが、数えるとおよそその数にはなりますが、正確にその数どおりになりません。これも、365という哲学が大切であって、何個あるかが重要なのではない…そう考えています。

365の経穴があり、それを12の経絡にまとめたという時点で、深い意味があると考えられます。

・天の法則 (365穴) を
・一つのグループに合して (十=拾) まとめ上げ、
・三十 (3つのグループ=三岐) で割り、分派させ (一源三岐 )
・地の法則 (十二経絡) を作り出した。
その結果、治療体型が確立してみんな健康になった。

・365日を
・1年として
・30日で割り
・12ヶ月を作った。
その結果、農作物がよくとれてみんな元気になった。

十二経絡に奇経八脈を足すと「二十」になります。これは二つの「十」(1グループ) 、つまり陰と陽、つまり十二経絡と奇経八脈は一対で機能する…という意味が考えられます。もちろん「八」は六合 (6) +地軸 (1) +赤道 (1) という意味も持ちつつ。

ちなみに三十の「三」について。
「一」は太極。
「二」は天と地。陰陽。
「三」は天と人と地。陰陽とその境界をなすもの。一源三岐。
天地間に人が生ずることで森羅万象に意味が生じる。
「四」は囗と八。四方に分かれ拡大する。
・・・ “四….囗像四方.八像分也” 《説文解字注》

よって「三十」は陰・陽・境界 (天地人) の3つにグループ分けする…という意味が考えられます。

これらは机上の空論ではありません。すべて臨床で応用できることばかりです。

▶干支「60」年の意味

ところで干支 (えと) の周期である60年、この60はどういう意味をもつのでしょう。▶360は地の法則 でも触れましたが、さらに詳しく考察します。

60年という周期に1年のような規則性があるのかを考えるうちに、365という数字 (天の法則) が深く関わるのではないかという仮定に至りました。まずそれをご紹介します。

▶730 (365✕2)

干支の60年は何ヶ月でしょう。普通に考えれば、12✕60=720ヶ月です。

しかし古人の感覚では、本来の一月 (ひとつき)は30日です。「ひと月」とは、月の満ち欠けの一周期です。ところがこれだと1年につき5日のあまりが出てきます。

この5日の60年分は10ヶ月 (300日) となります。
よって720ヶ月 (12ヶ月✕60年) +10ヶ月=730ヶ月 となります

この「730」という数字、2で割ると、365になります。なんか面白いですね。

そこで、こんな法則があることに気が付きます。

1年… 365日:730昼&夜
60年… 365気:730ヶ月

365日は日輪の昇降の数なので「天の法則」です。
365気は月輪の満ち欠けの数なので「地の法則」です。
これら2つの相似関係を「365」という数字が示しています。

365日 (1年) の法則は、365気 (60年) の法則と相似する…という仮説が成り立ちます。つまり、十干は十二支に反映するということです。

  • 365気について
    1気 (六気) は60日である。月輪周期 (約29.5日) を30日として起算する。
    ※陽支と陰支が一体で60日 (六気の「一気」分) である。陰陽は表裏一体なので、昼と夜が一体で1日であるのと同じように考える。
    陽支… 子 (陰暦11月)・寅 (陰暦1月)・辰 (陰暦3月)・午 (陰暦5月)・申 (陰暦7月)・戌 (陰暦9月)
    陰支… 丑 (陰暦12月)・卯 (陰暦2月)・巳 (陰暦4月)・未 (陰暦6月)・酉 (陰暦8月)・亥 (陰暦10月)
  • ちなみに1ヶ月は730時間 (半月なら365時間)
    1ヶ月 (30.4日≒365日÷12ヶ月) は
    730時間 (24時間✕30.4日≒730時間) である。 24✕365÷12=730

    ちなみに1日 (1昼日) は何分だろう。
    1昼日 (12時間) が何分か計算すると、60分✕12=720分
    730にならないのは、360と365のちがいによる。
    360÷6=60。つまり60分の60という数字は、360から来ている。
    365÷6にすると、60.8333…となり、 (365÷6) ✕12=730となる。
    1日を、365の数 (宇宙側の法則) をもとに分割すると、ややこしいだけでメリットがない。
    よって人間側に都合の良い「360」 (30の倍数・12の倍数:後述) の数を元に分割したのだろう。

ところで、730という数は運気論を勉強している人なら見覚えがあるでょう。「73」つまり73日です。
・73日… 五運の1運分の日数
・60日… 六気の1気分の日数

▶30 (月の日数) が元になる

数字遊び、面白いですね。

ですが、これは数字のマジックではありません。

簡単に言うと、365日✕60年÷30日=730ヶ月です。
もっと言えば、365日✕30年÷30日=365ヶ月です。

別に1年が365日でなくとも、465日であっても、1ヶ月を30日として「30年」すれば、465ヶ月になります。30を掛けて30で割っているだけです。重要なのは、月齢の「30 (日) 」という数です。これに合わせた年数なので、「30年」は月輪をもとにした数字であるということが言えます。

つまり、10 (十干) と12 (十二支) の最小公倍数の60という側面よりもむしろ、干支の60年は月輪の「30」の支配下にある数字という側面が強い。

  • ちなみに1ヶ月は730時間 (半月なら365時間) にしても、24✕365÷12=730 つまり、365に24 (12✕2) を掛けて12で割っているだけである。つまり、月輪の「12」という数の支配下になっている。24時間は12の支配下、24といえば二十四節気もあるが、これも月輪の支配下と言えよう。1スパンの波の山と谷が分かりづらく、しかも人間側の法則である。

▶360は地の法則 で述べたように、60年 (干支) というスパンは、「1ヶ月」と同じような側面があります。つまり、自然の法則としては昼夜寒暖などがなく「分かりづらい周期」です。しかし、人間側の法則としては便利であるということです。東洋では、西暦がもたらされるまでは干支六十年によって史実の時期を特定していました。時分秒も便利な「人間側の法則」です。

「人間側の法則」という側面は、月経周期 (30日) による「卵子の成長 (生) 」と「卵子の排泄 (死) 」という、一見分かりづらい体内での周期を彷彿とさせます。この周期は大自然に反映されるものではありませんが、知っていると非常に便利です。妊娠の有無、出産予定日が分かるからです。十月十日 “とつきとおか” はまちがい? をご参考に。

▶誤差も法則、完璧でなくていい

干支の60年は、日輪の「365」を前提としつつ、月輪の「30」の支配下にある。

これは月輪の「十二」が「十」 (1つにまとまった幹) が「二」 (2つに別れた枝) になる…というイメージからも頷けるものがあります。つまり、幹 (干) を分けて枝 (支) にしたのが干支の60年と言えるのではないでしょうか。しかもこの60年が古人の平均寿命をしめすものであるとするならば、「地の法則」 (人間側の法則) という位置づけが該当すると思います。

つまり、例えば甲子であれば、「甲という幹」から別れた「子という枝葉」という意味で捉えることが可能です。たとえば樹木でも、桜あり杉あり楓あり、太く真っすぐ伸びた幹は似てはいますが木肌の特色は違います。十干は幹です。そこから分かれした枝葉も緑の葉色は同じでもかなり異なる特徴を持ちます。十二支はこの枝葉を見るということです。

枝葉とは?

幹とは五臓六腑です。五臓六腑は太極は一つですが性質が違います。
そこから別れた枝葉とは経絡経穴です。同じ井穴でも、少商と少沢とでは特徴が違いますね。そして経絡経穴とは、「人間側 (治療する側) の法則」です。

枝葉とは「人間側の法則」です。つまり人間が健康であるための法則です。たとえば生理期間中は無理をしないようにする…というのも30日から発想される「人間側の法則」です。

冒頭でも述べたように、これには必ずいくらかの誤差が生じます。これも法則です。「天の法則」 (宇宙側の法則) に照らし合わせると、「地の法則」 (人間側の法則) には誤差があります。それでいい。ただし、365と360との差異ていどの誤差であるべきでしょう。つまり73回に1回くらいの想定外は、法則なのです。「その誤差」を目指して前進する。

完璧は存在しない。多少うまく行かないことがあっても、それも法則である。そんな大らかさがあったほうが、逆に前に進める。新しい発見も得られる。そんなふうに思います。

月輪の支配下にある数字、つまり6・12・30・60・360は、すべて「地の法則」 (人間側の法則) を反映すると見ていいと思います。

▶まとめ

まとめます。

5・6・12・365。

これら東洋医学において主要な数字は、「数」ではありません。

五・六・十二・三百六十五。

それぞれに意味のある「漢字」です。

五は、天地陰陽が一つになって交流する。
六は、五の意味を受けて、そこから命が分派する。
十二は、五と六が一体となった意味を示す。散らばった要素が一つにまとまり、それがまた無数に無限に分派・拡大する。

これらを一つにまとめ上げる。それが十です。

意味を考えることが大切です。数ではない。

365÷30=12あまり5
365÷12=30あまり5
365÷6=60あまり5
365÷5=73 (素数)

「天の法則」と「地の法則」を示す数字が山積します。おや? やはり数字にこだわっていますね。意味が大事なのでは?

こだわって、こだわらない、これも陰陽です。

すると、不思議とうまくいく、面白いように当たる。たまに「誤差」もあるけど。

「規律」があって「誤差」もある、これも陰陽です。

陰も陽も両方を使う。「誤差」を認めて失敗を悔やまない。そこから何かをつかむ。楽しく前に進む。だから、より精度の高い「規律」をモノにしていける。誤差が少なくなっていく。

両方大切です。

両手を使って作ってゆく。両足を使って前に進む。

そういうメッセージを「365穴」に感じませんか?


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