八脈交会穴とは

八脈交会穴とは、列缺・後渓・公孫・足臨泣・外関・内関・申脈・照海のことで、奇経八脈それぞれの主治穴になっています。八脈交会穴は、八宗穴・八総穴とも言われますが中国ではその言葉は使わないようですね。よって、八脈交会穴というのが正式名称です。

  • 任脈…列缺
  • 督脈…後渓
  • 衝脈…公孫
  • 帯脈…足臨泣
  • 陽維脈…外関
  • 陰維脈…内関
  • 陽蹻脈…申脈
  • 陰蹻脈…照海

たとえば、任脈は列缺に流注しませんが、列缺が任脈の病をもっともよくすることができる…というものです。

竇漢卿(1196年-1280年)の《針経指南》という書物に記載がありますが、もっと年代の古い《流経八穴》(散逸) にも記載があったらしく、何時頃誰が見つけたものかはよくわかりません。

とにかく、長い歴史的淘汰を経て、非常に優れた効果をもつ穴処として受け継がれてきているのですね。

ただし、それを使えば効くというものではなく、やはり奇経八脈の意味を理解して、臨床に当てはめるから効くのです。僕の治療では、奇経八脈を必ず動かします。そういう臨床を踏む中でイメージできるものです。

《難経》では、奇経八脈を「深湖」と表現しています。これが奇経八脈を理解するキーワードです。しかし、その解釈は臨床の中で我々臨床家が独自に掴むものであり、定説はないと言ってもいいでしょう。学校の先生でも、うまく説明できないと思います。

ただし、まずは素直に覚えることです。ぼくも学生の頃は奇経八脈の意味がぜんぜんわからず、だから避けて通ってきました。

しかし、中国伝統医学、つまり中医学に忠実に臨床を行う中で、自然と向き合い、理解を進めつつあると思っています。

中医学に忠実に…とは、

  • 中医基礎理論の暗記と理解
  • 証や証候の暗記と理解
  • 各種病証の暗記と理解
  • 望聞問切の実践と会得

という、今思えば気の遠くなるような作業です。そしてこれが本当に意味のあることなのか? という迷いとの戦いに打ち勝ち、最低でも十年は脇目もふらない勉強と実戦のはてにたどり着くものです。

そこで初めて、八脈交会穴などの運用ができると理解してください。

痛いところを患者さんに聞いてそこに鍼をしているならば、見えてこない世界です。

現時点でのぼくの奇経八脈のイメージをまとめたものをご紹介します。

もっと深い世界は以下にまとめました。

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