酔っぱらいの治療

もともと、お酒は弱い。
最近 、350のビールが全部飲めるようになって、
「酒豪になった」と、うそぶいて家族に笑われている。
そんな僕が、調子に乗って、9%のチュウハイ (350) を買って飲んでみた。
いい感じでクラクラしたが、しばらくすると座っていられない。

横になっていると、知らない間に寝ていたらしい。
横の机で数学の問題集をやっていた子供が、
「父さん寝言いってたで。」と言う。軽くうなされていたらしい。
立ち上がろうとすると、めまい&ムカムカ。立てない。
呂律は回らない。
意識は朦朧。
このままでは確実に吐く。なんとかせねば。

そこで思い出したのが、名医・藤本蓮風先生著「経穴解説」。
先生が酒に酔った時、公孫で戻した…という一節。
よし、実験。

左右の公孫に両手のひらを当ててみる。
意識が朦朧としているが、集中力を振り絞る。
おっ、ホンマや。左公孫に生きた反応がある。
虚実は? 左が虚。補法やな。

鍼の道具は座敷の間。
立てないので、這って座敷にたどり着く。

鍼をするのはしんどいので、手軽にできる古代鍼を取り出す。
金製古代鍼を左公孫にかざす。
即座に頭がスーっと明晰になる。
ムカムカも大幅にスッキリ。
立ち上がってみる。…立てる!
すごい、さすが蓮風先生!
たしかに、この穴性は他の治療にも応用できそうだ! 

急性アルコール中毒は、有毒物質であるアルコール (エタノール) が脳に到達することで起こる。アルコールは20%は胃で吸収され、残りの80%は小腸で吸収される。これらは肝臓に運ばれ、分解されてアセトアルデヒド (有毒) になり、さらに酢酸 (無毒) に合成され、さらに水と二酸化炭素に作り直されて排泄される。この一連の働きを解毒という。こうした化学反応が追いつかないほどアルコールが入ってくると、アルコール (エタノール) が脳を犯し酩酊・意識障害、最悪の場合は死に至る。アセトアルデヒドは、吐気・胃痛・頭痛・動悸・二日酔などを引き起こす。

公孫は太陰脾経に属し、衝脈の宗穴である。衝脈は、中国では「冲脈」と表記され、「衝」と「冲」は同義である。この字には、「大水で洗い流す」という意味がある。肝機能障害で解毒が追いつかず、意識がぼんやりしているようなときに応用が考えられる。

普通に歩いて子供の前に登場。
「鍼したで。すごくない?」
「すごい! 鍼ってそんなのにも効くの? 魔法みたいやなあ。」

そのまま歯磨きになだれこみ、
引き続き、子供に数学を教え、
終わって、この記事を書いています。

ちょっと気持ち悪いけど。

“肝臓” を考える…東洋医学とのコラボ
肝臓には500以上の働きがあると言われ、様々な病気と関わる “主役級の臓器” です。と同時に寡黙で “沈黙の臓器” とも呼ばれます。これを往年の名優、高倉健に例えつつ、東洋医学ともコラボしながら、肝臓とは何か、病気の原因とは何かを考えます。

(2014年の記事)

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