立冬を前に

「気を静める (沈める) 」これが冬の養生の基本でしょう。「気が立っている」のはそれと逆、特に冬場は望ましくない状態です。気とは太陽 (陽) です。気が立っているのは、太陽が真上にある状態、これは夏ですね。

冬は太陽が低い。あまり高く昇ってはしゃぐと陰が養えません。陰とは安らぎです。落ち着きです。病気を治すにはまずこれが土台となりますし、何をやるにも行動するにも、先立つものとは陰なのです。それを、冬にチャージする。冬とはその「先立つもの」を得る絶好のチャンスなのです。

燦々と照りつける太陽を得たければ、いったん太陽が沈まなければなりません。これが天地が決めた自然の法則です。ところが現代人は? ハロウィンがどうたら、クリスマス商戦たら、年末ジャンボたら焚き付ける。沈む太陽を無理やり昇らせようとしている。

冬に、あるいは夜に、高く昇る太陽。それは異様な太陽なのです。その異様さに気付けない。感覚を失ったのです。現代人は、自然の法則から離れ、自然と一体化するすべを失い、沈もうとする太陽まで昇らせようとしいているのですね。

陽を乱すな。これが下リンクで引用する《素問・四氣調神大論02》の説くところです。陽こそ大事。元気はつらつとは陽の姿です。その大切な陽を守ってやる。陰という安らぎのお布団で休ませてやる。

天の時。

それが冬であると知るべきです。

冬の養生… 閉蔵とは
冬は閉蔵、これは《素問・四氣調神大論02》の言葉です。 “閉蔵” とは何か、これを深く理解することは、冬を健全に過ごす方法を得るだけでなく、「元気はつらつ」の起点を得ることに等しいと言えます。
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