輔骨とは

膝の骨

輔骨とは、膝の内側と外側の出っ張った骨のことをいいます。

詳しく言うと、大腿骨内側顆と脛骨内側顆 (外輔骨) と、大腿骨外側顆と腓骨頭 (内輔骨) のことです。

《内経》ではその意味で用いています。

輔骨,膝下兩旁高骨也.《類経》

橈骨・腓骨

ところが、《医宗金鍳》 (清代) には、

“小腿骨……在後者名輔骨,其形細。” >> 腓骨のこと。
“臂骨有正輔兩骨,輔骨在上,短細偏外。” >> 上腕部の上部の骨、つまり橈骨のこと。

とあります。

ここでの輔骨は、橈骨・腓骨を意味します。

補助する骨

百度百科には、 “辅助主干的骨骼” とあります。

つまり、大きく太い軸となる骨を、補助する骨が輔骨です。

膝の骨であれば、大腿骨と下腿骨という主幹を補助する骨と解釈できます。
橈骨であれば、尺骨という主幹を補助する骨と解釈できます。
腓骨であれば、脛骨という主幹を補助する骨と解釈できます。

古典を読む際は、この大義を知った上で、文脈に合わせて解釈することになります。

「輔」の字源

「輔」は「車+甫」です。

「甫」はぴったりと寄り添うという意味があります。ここから補う、補助するという意味に展開します。

「車」は車輪のことです。

よって「輔」はスポークが原義です。車輪の形体を維持するために支えるものです。自転車の車輪は縦横にスポークが交差し、車輪が歪まないように支えていますね。

形体の主軸となる骨が歪まないように、ビッタリ張り付き、寄り添って支える骨が輔骨です。

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