連の字源・字義
連 【訓】つらなる
負車也。… 連即古文輦也。《説文解字注》
「連」の本義は人力で引く車である。
連は「輦」と同義である。「輦」とは輦車 (皇帝・皇后を乗せる車) のことで、神輿 (みこし) のようなもの。
連合・連絡・連接・縫い付ける。
連累… 巻き添えにする・類を及ぼす。連帯責任。連座。連行。連判状。
連姻… 婚姻でつながった親類。
高貴な人を担いでつながるイメージがあります。
また、密接に連続するだけでなく、運命をともにするニュアンスがあります。
臓腑経絡学での読み方
脾足太陰之脉.…上膈.挾咽.連舌本.《霊枢・経脈10》
肝足厥陰之脉.…循喉嚨之後.上入頏顙.連目系.《霊枢・経脈10》
…小腸者.連睾系.屬於脊.貫肝肺.絡心系.《霊枢・四時氣19》
「連」が登場するのは少なく、流注ではこのくらいではないかと思います。
心主舌.《素問・陰陽應象大論05》
目者心使也.《霊枢・大惑論80》
とあるように、舌も目も、心に通じ高貴なものです。睾は胞宮に準じ、精に通じます。
脾は「倉廩の官」 (農作物生産者とその管理者) 、肝は「将軍の官」 (現場指揮官) で、裾野で活動します。こういうものが「高貴なるもの」に連なり、それをかついで、しかも「死なばもろとも」的な婚姻関係にある。政子と頼朝みたいですね。政子をはじめとする北条氏は、頼朝をかついで、命懸けで平氏打倒に突き進んだのです。
そういうニュアンスが「連」にはあります。