北辰会で学んだもの

画像使用は藤本新風先生のご承諾をいただいた。

左から、 (一社) 北辰会の藤本蓮風会長と藤本新風代表です。この世界では知らない人はいないと思いますが、一般の方もおられるので念の為。

北辰会に籍を置かなくなってから、もう20年を過ぎましたが、このお二人の教えを受けなければ、僕は何もできなかったと思います。多分かくじつに、中医学を信じ切れなかったと思います。

いまこうやって、何かを人に伝える文章を書かせていただいているのも、みんな北辰会で学んだことが土台です。

特に、藤本新風代表には、公私に渡って大変なお世話になりました。夜遅くに先生の治療所に集まり、みんなで勉強していた頃があって、先生が何を目当てに勉強しているのか、何を目当てに体に向き合っているのか、そういうものを間近で見させていただいたことは、いまも僕の支柱をなしています。

私的勉強会が終わるのは、日付がとっくに変わっていて、車で帰宅途中に新聞配達の人とすれ違い、ちょっと寝て勤め先に向かったものでした。ははは。

当時まだ20歳代、出会った頃から「何か」が見えていた方で、何も見えない僕が「やっぱり見えなきゃダメ?」と聞くと、「そんなことない。大丈夫。全然そんな事ないから!」と強く否定されました。以前、「気」の世界との向き合い方 を投稿したことがありますが、その時のことが原点にあります。

僕は26歳で開業しましたが、そのころは困ったことがあったらすぐに電話して教えていただいていました。それは今でも「よくあんな図々しく電話したものだ」と思うし、嫌な顔ひとつせず何時も快く疑問に答えてくださったことに、今更ながら驚くのです。

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この学会で、新風代表は古代鍼 (刺さない鍼) の実技を披露され、また藤本蓮風会長は著書「経穴解説」で学会創立50周年記念賞を受賞されたそうです。この書は、鍼灸界では異例の発行部数を誇るそうで、中医学や鍼灸を学ぼうとする方に非常にお薦めです。

語り口調なので非常に読みやすく、しかし内容は非常に深い。特に一本鍼を元にしてできた経穴の解説なので、ホンモノです。あちこち鍼をしていると、そのツボがどんな働きをするかハッキリしませんね。

中医学の専門用語もたくさん出てきますが、それを一つ一つ中医基礎理論などで丁寧に調べながら読んでいくと、大変な勉強になると思います。一般の方でも、鍼灸の深い世界を知ることができます。

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ちなみに新風代表は、上画像のコメント欄で、

「気」があって、「形」がある、というのが我々の考え方なわけですが、明らかに写真に写る手のサイズ感が違いますね。まだまだ学びと技術的向上が必要、という証左でもありますね笑

とおっしゃっています。こういう風に興味を持たせるのが非常にうまい。興味が湧いた方は写真の手をよく見てください。「サイズ感」というのは、サイズのことではありません。「気」、もっといえば「神シン」のことです。「神」については、「逆証とは… 舌に映じた「神シン」の考察」として、後日展開しようと思っています。

お二人の手を比較すると、確かに「その」大きさにちがいがあることが分かります。しかし、どちらかを隠して見えないようにして一方だけを見ると、遜色のない力があるように僕には見えます。

こういうのも学びになりますね。比較するということは相対的な陰陽で見ることです。比較しないで見るということは、絶対的な陰陽 (太極) を見ているのです。

ツボを診るときも同じです。

比較すると分かりやすい。しかし、比較することによって「本質」を見落とすことがあります。

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