夏のパワー

パワーとは陽です。これが欲しいのですが、この猛暑のなかではクーラーの効いた部屋に引きこもるしかないですね。

しかし稲を見て下さい。どんどん株が増えて、どんどん背丈を伸ばしています。夏の土用のこの暑さあってこそ成長し、やがて秋の実りが得られるのです。この暑さを喜び、そして生き生きとしています。夏に光り輝くのです。

稲だけではありません。生きとし生けるものすべてがこの暑い時期に、陽を伸ばしているのです。

ただし暑すぎては枯れてしまうものもありますね。暑邪は陰 (うるおい) を奪い、陽 (伸びるパワー) をも奪います。現代人がまさにそうです。脱水を起こしかけ、屋外での活動は危険と隣り合わせ。夏こそ伸びるパワーは、どこに行ってしまったんでしょう。

どこにも行っていません。陽は体の奥深くに引きこもっているのです。引きこもり、内に凝集して邪熱と姿を変えているのです。陽が伸びればパワーですが、引きこもると邪熱になるのですね。

内に引きこもった結果、外は陽が欠乏しています。陽が欠乏した状態を「冷え」と言います。実際に外 (手足や皮膚) が冷たいならば、それが顕著と言えます。内は冷えません。外が冷えるのです。

冷たいものを飲食すればするほど、あるいはクーラーを過度に用いて汗 (陽) を引っ込めれば引っ込めるほど、外が冷えます。外が冷えれば冷えるほど、内への引きこもりが強くなって陽が邪熱となります。邪熱がこもればこもるほど、熱く感じて冷飲や極冷のクーラーを好みます。冷えを好めば好むほど…。

この悪循環が、陽が伸びるのを妨げる。伸びなければパワーにはなりません。

水稲のように、まずは陰 (用水) で生命の土壌 (田んぼ) を満たし、精 (根っこ) をうるおしましょう。我々にとっての陰とは水の多飲で得るのではありません。「早く寝ること」によって得られます。節度ある飲食によって得られます。いかに水稲であっても水に沈めてしまうと腐ってしまう、節度が大切です。

少しの汗を嫌うクセを直しましょう。適度なクーラーの用い方とは、少しの汗 (陽) を引っ込めない用い方です。首元がしっとりしているくらいがよろしい。冷たい飲食物で汗を入れるのも、パワーである陽を引っ込める所業であると知るべきです。完膚なきまでに駆逐している人、いませんか?

陽を伸ばす。そういうことを年間を通じて心がけると、引っ込んでいた陽 (邪熱) が、伸び伸びと外に向かい「元気はつらつ」に変化していきます。

汗が気持ちいい。そこまで行ったらシメたものです。ウォーキングで少しづつ体を動かしていけばいい。無理したら逆もどり、陽が引っ込みます。少しずつ、少しずつ、稲葉が伸びるそのゆっくりさで伸ばしていきましょう。

 

 

下リンクでは、臨床で陽を伸ばす (ウォーキングを伸ばす) 時の生命の変化を図示しました。参考にしてください。

体をきたえる、誠をきたえる
健康を目的として体をきたえる場合、負荷をかけすぎないようにします。生命力のラインよりも負荷が上回ると、生命力は下がってしまいます。逆に、生命力のラインぎりぎり手前まで負荷をかけると、生命力は押し上げられます。
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